8000系
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1.概要
いわゆるヨンサントオ協定の締結後、青海鉄道と水澄鉄道が昭和45年度に共同開発した特急車両。路線全通時に登場する新型車(のちの7000系特急車)までの"つなぎ"として、国鉄からの直通急行「青海」「水澄」(国鉄165系で運転されていた)を若干上回るグレードの車両となり、片開き2扉 転換クロスシート仕様で建造された。足回りは国鉄165系のコピーで、編成構成はTcMM'Tc'の4両。需要波動の大きい観光向けの列車に充当するため、繁忙期には2編成併結の8連、閑散期には4連で運転することが想定されていたが、実際には4連での運用はほとんどなされなかった。
本形式は、短期間に低コストで建造することを第一に設計されている。Tc車・Tc'車はトイレ・洗面所を備え、向きを変えただけの車両であり、M車・M'車も電装品が異なるだけで車体は全く同じである。要するに、車体は2種類しかない。さらに、全車の扉位置を統一することで各車の図面の多くを共通化しており、このことは今日に至るまでの南西急行の車両の基本思想となっている。
形式番号は、湾岸急行電鉄の車両計画班が策定した「会社統合後の車両形式記号および番号に関する規則」に基づき8000系となった。つまり、本形式は2000系のように会社統合を睨んだ仕様で開発されており、本来は旧世代車両ではないのだが、適用しているテクノロジーが古いために結果としてそのカテゴリに含まれてしまった。
落成した車両は、4連8編成が青海鉄道側に、4連6編成が水澄鉄道側に配備され、新規に設定した特急に投入された。それまで国鉄165系しか優等列車の無かった両社にとっては業績の大幅アップを目指した一大投資であり、運用側・乗客側双方に使いやすい仕様が好評を博したことで両社の関係者は胸をなで下ろしたという。
2.空港アクセス用改造工事
昭和53年5月の湾岸新線新成原~美咲間暫定開業(ダイヤの変遷Ⅰ#3.昭和53年5月-湾岸新線暫定開業を参照)に伴い、本形式は(当時の南西急行的にはあまり積極的な意図はなかったのだが)美咲空港~青海・水澄の空港アクセス輸送を担うようになった。そこで、昭和52年度に全車の戸袋窓を潰し、そこの客席を撤去して荷物スペースを設ける改造工事が施工された。


3.その後の動向
昭和54~55年にかけて、湾岸新線全通に伴う直通特急列車の運転開始に備え7000系が投入され、本形式の天下は10年で終わった。これは当初の想定どおりであり、その後は臨時特急や団体列車などに充当されている。そのような使われ方が長く続くと思われたが、その後の青海線特急・水澄線特急の需要の伸びは凄まじく、増発用の車両(7200系)を新造車で賄うこととなって事情が変わった。8000系の用途が激減したのである。
当時、南西急行は青海線・水澄線からの長距離通勤客に対するサービスアップを考えており、平成4年度に実施予定の大規模ダイヤ改正で増発する「通勤特急」用の車両を検討していた。それに8000系を充当することも考えられたが、本形式は所詮特急用であって片開き2扉の車両を通勤列車に使用するのは無理があり、後述のように3扉化改造も良案とは言えず、抵抗制御車の早期撲滅を最優先課題としていた当時の事情もあって、結局、新造車6000系を充てることとなった。8000系はそれと入れ替わる形で平成3年度に潔く全車廃車された。後にその決定を激しく悔やむ事態になるのだが、それは別の話である(6000系の項を参照)。
4.一般用車両改造案
本形式は、平成初期に、3扉化のうえで一般用車両に転用する改造が考えられたことがある。当時、検討中であった5200系の新造と2000系の一般用車両転用を共に先に延ばし、4600系・4800系を本形式の改造車で置き換えようという案であった。しかしその改造案は、当時でもあまり評判の良くなかった4200系よりもさらに陰気な姿になるものであった。増設した中央扉の周囲は構体の構造上 戸袋窓を設けられず、前後寄りの戸袋窓(前回の改造で潰してある)を再度開口するのもバカバカしい…。最終的には「これなら車体を更新した方がマシだよ。だが、いまさら抵抗制御車を延命するんか?」ということで不採用となっている。
5.妄想の解説
観光地を走る鉄道なのに独自の優等車両が無いというのもおかしな話なので後付けで設定した車両です。登場時期を考慮し、近鉄の特急車を参考に設定しました。筆者はこの車両は結構気に入ってまして、廃車してしまったのは早計だったかなと思っています。
種別 | 現有車両 | 退役車両 | 旧世代車両 |
通勤用車両 | 1600系 8連×19本=152両 1800系 8連×16本=128両 | 1000系 1400系 | |
一般用車両 | N2000系 6連×16本=096両 2400系 6連×14本=084両 | 2000系 5000系 | 4600系・4200系 4800系・4400系 |
急行用車両 | 3200系 8連×14本=112両 5200系 8連×14本=112両 5400系 8連×16本=128両 6200系 8連×08本=064両 | 2000系 5000系 3000系 | 4000系(快速用) |
臨時用車両 | 6400系 4連×13本=052両 7600系 4連×08本=032両 | 6000系 | |
特急用車両 | 7400系 8連×13本=104両 7800系 8連×14本=112両 | 7000系 7200系 | 8000系 |