2600系





1.登場の経緯
2600系は、青海線・水澄線の一般用車両2000系の置換用として出現した形式である。2000系は44編成もあるので当時は2200・2400台が空いておらず、2600台の番号となった。平成12年に12本48両が登場して以来、平成14年度までに32本128両が投入され2000系を淘汰した。令和2年2月時点で八浦検車区・御幸台検車区にそれぞれ15編成が所属している(計算が合わない理由は後述)。
それまで、一般用車両は、もともと急行用である2000系や5000系が格下げされて使われてきたが、当時の東京線用車である3000系・5200系は8両固定編成であり、4両編成で併結が可能な仕様に改造するのは手間もコストも時間も必要であった。そこで、本形式は青海線・水澄線に新造投入するように方針が変更された。このことは、お下がりにばかり乗せられてきた両線の乗客から好評を得た。
平成21年10月ダイヤ改正で一般用車両の運用が4両編成と8両編成に分離され、5000系置換用の後継車2200系は8両固定編成で増備されたため、青海線・水澄線の普通列車で分割・併合を伴う運用には本形式が必ず充当される。
2.仕様
本形式は、設計自体は5400系とほとんど同じで、相違点は、4両編成仕様としてM車にパンタグラフを2基搭載していることと、2編成併結に備えて先頭車に電気連結器を装備していることぐらいである。
先頭部には5400系と同様の非常用扉(貫通扉ではなく)を備えている。南西急行では、地下区間が多い東京線を営業運転する際は乗客の避難路確保のために編成間を貫通させるルールになっているが、「4両+4両の編成は東京線に営業運転で乗り入れる場面はほとんど無いだろう」と割り切ってコストダウンしたのである。
そのような事情から、本形式の東京線入線は回送運転以外は極力避けられている。なお、必要な場合(例えば一般用8両編成車の運用に代替充当するなど)は非常扉を取り外し、幌を取り付けて貫通させるわけだが、メチャクチャ手間がかかるため作業環境・要員を確保できる車両基地でしか実施していない。
3.リニューアル
平成30年度から本形式のリニューアルが開始された。工事の概要は、
- 先頭部の行先表示器を大型のフルカラーLEDタイプに更新
- 先頭部前照灯・尾灯を高輝度LEDに交換
- 車内設備を転換クロスシート仕様から固定セミクロス仕様(2200系と同タイプ)に変更
- VVVF制御装置・補助電源装置(SIV)・CP等を更新
- 窓を二重ガラス化した側扉に交換
等であり、施工前に予想されていた前頭部の貫通扉化は見送られ、パンタグラフもシングルアーム化されていない。車内設備は、2200系の仕様が青海線・水澄線の乗客から好評を得たため(特に座席数が8席/両増加する点が喜ばれた)本形式にも拡大することとなった。


なお、このリニューアル工事は2611F・2621Fに先行的に施工されたが、Tc'2614・Tc2621は対象外とされた。その理由は公表されず趣味界では様々な憶測が語られたが、令和2年2月に、2611F・2621Fからこの2両を切り離し、T3204・T3205(3200系の量産先行車)を組み込んで2200系に編入されたことで事情が明らかとなった。なお、Tc'2614・Tc2621の今後の命運については、現時点で公表されている資料は無い。
種別 | 現有車両 | 退役車両 | 旧世代車両 |
通勤用車両 | 1600系 8連×19本=152両 1800系 8連×16本=128両 | 1000系 1400系 | |
一般用車両 | 2200系 8連×17本=136両 2600系 4連×30本=120両 6200系 8連×08本=064両 | 2000系 5000系 | 4600系・4200系 4800系・4400系 |
急行用車両 | 3200系 8連×14本=112両 5200系 8連×14本=112両 5400系 8連×12本=096両 | 2000系 5000系 3000系 | 4000系(快速用) |
臨時用車両 | 6400系 4連×13本=052両 7600系 4連×08本=032両 | 6000系 | |
特急用車両 | 7400系 8連×13本=104両 7800系 8連×14本=112両 | 7000系 7200系 | 8000系 |