南西急行電鉄研究会

青海線

1.路線概要

青海線/rosen-ohmisen.gif
青海線路線図

 青海線は、旧青海鉄道が観光開発を主目的に建設した路線で、国際的観光地青海半島の東海岸を縦貫する。昭和62(1987)年に全線複線化を果たした。また、平成14年には八浦新八浦間の支線が開業し、八浦鉄道との直通運転を行っている。

2.駅一覧

キロ呈駅名普通準急区急
快速
急行快急特急
00.0美咲駅
02.7桂木町駅
05.4大倉駅
08.1北方駅
10.8勝俣駅
13.5名取駅
16.2南条台駅
18.9薙山駅
21.6戸机駅
24.3青葉ヶ丘駅
27.0八浦駅
28.5新八浦駅
31.5市浜駅
36.0飛田駅
40.5郡塚駅
45.0菅原駅
49.5藤阪駅
54.0鶴神温泉駅
58.5北戸駅
63.0若江温泉駅
67.5陽光高原駅
72.0船津駅
76.5桜崎駅
81.0青海ヶ浦駅

3.配線図

青海線/haisen-ohmisen.gif
青海線配線図

 青海線は、上図のように全線が複線化されているが、桂木町戸机郡塚陽光高原の各駅はいずれも上り線の設備を増強する配線になっており、明らかに(美咲空港へ向かう)上り線の運行を優先していることが判る。

 関連項目:八浦検車区青海運転所

4.沿線風景

(1)美咲~名取

 青海線の前身である青海鉄道美咲駅は現在の高島屋美咲店の位置にあったが、昭和52年10月の現美咲駅の開業に伴って切り替えられた。現在の美咲駅はもともと国鉄美咲駅の貨物ヤード部分にあたり、同駅の貨物扱いが美咲港駅に移管された際に、跡地に南西急行の高架駅が建設されている(このあたりの経緯は別項を参照)。

 美咲駅の青海線ホームは1・2番線で、1番線は主に東京線からの直通列車、2番線は同駅発着の列車が使用する。美咲を出ると、青海線の線路は左に大きくカーブして、右側にJR南街道本線の線路が高架に持ち上がって並走するようになる。この付近は美咲駅の切替の際に高架化され、複線+単線の3線区間となっている。

 美咲の市街地を高架複々線で駆け抜けて、美咲市の副都心のひとつである桂木町駅に着く。2面3線の規模でJRとの共同使用駅。朝ラッシュ時は上り列車の乗客の1/3が同駅で下車するので、当駅の存在は美咲駅の混雑緩和に大いに役に立っている。

 桂木町駅を出ると周囲の町並みは住宅地に移り変わり、高架のまま相対式ホームの大倉駅に着く。大倉の手前でJR南街道本線の線路が右へ離れていく。かつてここには南街道本線から青海線へのわたり線があり、東京からの直通急行「青海」が使用していたが、湾岸新線全通と同時に使用停止され、現在ではわたり線設備そのものも撤去されている。

 大倉で高架線は終わり、線路は四浦半島の付け根の丘陵地帯を登り始める。大倉駅北方駅勝俣駅付近は美咲市のベッドタウンとして昭和30・40年代に青海鉄道が開発してきたところである。勝俣を出て、盆地に入ると名取ニュータウンの住宅街が広がり、2面4線の名取駅に到着する。名取ニュータウンは、それまでのニュータウン開発で問題化した「昼間人口の急減」に対処するために(小規模ながら)大学が3校誘致されたのが特徴であり、それがために青海線はラッシュ時でも逆方向の利用が多い。

(2)名取~八浦

 名取駅を出ると四浦丘陵の山中を走る。この付近は丘陵の北斜面になるので住宅地としては人気が無く、次の南条台駅も普段は利用客の少ないひっそりとした駅である。南条台を出るとすぐに全長2100mの薙山トンネル(単線2本)に入る。トンネルを出ると右前方に八浦市街が一望できる。南西急行でも人気の車窓スポットである。

 薙山駅は2面2線の相対式ホームの南端にそれぞれの駅舎がある昔懐かしい構造の駅だが、周囲は中層のマンションが相次いで建設されている新興住宅地である。次の戸机駅付近もそうだが、このあたりは丘陵の南斜面であり、美咲市・八浦市両方のベッドタウンとしてバブル期以降人気が急上昇している。

 薙山から下り勾配に変わり、住宅地とみかん畑の混在地を突き抜けて戸机駅に至る。戸机という地名は、四浦丘陵から産出される木材を利用した家具・建材産業に因んでいる。同駅は2面3線のいわゆる国鉄型配線の駅だが、普段は追い抜き等は行われない。

 戸机を出ると線路は平坦になり、八浦の市街地に入って高架線に上がると青葉ヶ丘駅である。八浦駅と同じ昭和62(1987)年に高架化された。周辺は高層マンションが立ち並んでいる。同駅の利用者は八浦方面への通勤客が多い。

 青葉ヶ丘を出て胡桃川橋梁を渡ると左から八浦鉄道の高架線が接近し、市の中心部を通過して八浦駅に着く。

 八浦は、かつては旧青海鉄道本社が置かれた一大拠点であった。駅周辺は高密度に開発されてきたため用地が無く、特に高架化工事は難渋を極めた。

(3)八浦~鶴神温泉

 八浦駅を出ると右側へ新八浦駅への支線が立体交差で分岐し、本線はすぐに地上に降りる。青海線の八浦以南は昭和62(1987)年に複線化されて比較的新しい設備になっているが、それでも海沿いで塩害に悩まされており、全体的に古びた印象が強い。特に設備更新されなかった駅部分はローカル色豊かになる。

 市浜駅は八浦の市街から5kmも離れているので、八浦のベッドタウンというよりは独立した一つの街を形成している。南西急行のローカル区間は駅間距離が長く駅間には人口が張り付かず、駅周辺に中・小規模の街ができている。そのため、沿線人口に対して鉄道利用者の割合が多く、このことが南西急行の経営にはプラスに働いている。

 市浜を出ると線路は青海半島の高台にあがり、(起点を背にして)左側には海が遠望できるが、林で隠されて見えないことも多い。飛田はそうした林の中に隠し田を作っていたことから付いた地名で、幹線道路からも離れているので利用者は少ない。

 郡塚駅は2面3線の国鉄型配線の駅である。なお、青海線南部区間の駅のほとんどは下り線側(海側)に駅舎がある。郡塚もその一つだが、この駅は山側で住宅団地が造成されており、山側にも改札口の設置が要望されている。

 菅原駅から藤阪駅に至る区間で高台から降り、鶴神市の市街地へ入って左に大きくカーブして鶴神温泉駅となる。駅の裏手は絶壁になっているが、これは駅を建設する際に岩山を削ったためで、人工のものである。駅の青海ヶ浦方・山側には電留線と保守用車基地がある。

 鶴神という地名は、付近の鶴神社に因んだもので、古くから温泉地として知られていた。青海鉄道建設時の駅名は「鶴神」であったが、昭和30年に鶴神温泉に改称された。駅の周辺が温泉街で、駅から少し離れた海岸近くにホテルが立ち並んでいる。鶴神市は厳しい景観条例を施行しており、温泉街も昔ながらの景観が維持されているため現在も人気は衰えていない。

(4)鶴神温泉~青海ヶ浦

 鶴神温泉駅を出るとすぐに鶴神トンネルをくぐり、温泉街の西側を大きく迂回してから海岸線近くを走るようになって北戸駅に至る。北戸は例外的に上りホーム(山側)に駅舎がある。

 北戸から、海岸線から少し離れたところを走り、小さな温泉街の西側を掠めるようにカーブして若江温泉駅に着く。この駅も昭和30年に「若江」にから改称された。温泉地としては実は鶴神より古いが、規模的にはかなわず、特急停車駅ともならなかった。

 若江温泉を出ると一気に25‰の勾配を駆け上がって行く。若江温泉以南の青海半島の海岸線はリアス式海岸で線路を通すには不適であり、山側を勾配とトンネルで通しているのである。青海鉄道が建設当初から電化されていたのはこの勾配区間に起因している。

 勾配区間を上がりきったところが陽光高原駅である。昭和45年に「柏倉」から改称され、付近は別荘地として売り込まれた。現在でも人気の観光地である。もっとも、高原と言っても標高は150m程度に過ぎない。

 陽光高原駅からすぐ青海ヶ浦方に柏倉トンネル(単線並列、720m)があり、トンネルを通過すると25‰の下り勾配を駆け下りていき、その途中に船津駅がある。駅名は、昔のこの付近の有力者に因んでいる。次の桜崎駅もそうである。船津は青海市のベッドタウンとして近年住宅開発が進んでおり、利用者は青海ヶ浦方向が多い。桜崎は青海市の市街地の北端にあたり、利用者は多いがホームが狭く不評を買っていたため、平成24年に高架化された際にようやく改善された。

 桜崎から天木川沿いに高架線で南下し、右下に車両基地(青海運転所)が見えると青海市の中心街に入り、青海港にぶつかったところに青海ヶ浦の高架駅がある。

5.青海線の沿革

 現在に至るまでの青海線の路線形成の経緯については以下の項目を参照されたい。

6.青海線のダイヤ

7.妄想の解説

 青海線のモデルはもちろん伊豆急行線です…が、全線が複線化されているため、むしろ紀勢本線の和歌山~紀伊田辺間の方がイメージが近いかもしれません。ただし、青海半島にはX県の方針で対面通行の低規格高速道路が通じているだけで、道路に対する競争力は高い、という設定にしています(現在の紀勢本線や内房線などの半島幹線は今やどこも高速道路に市場を食い荒らされて状況が非常に悪いですからね…)。

 青海線は会社統合後、八浦以南の全線が、大株主たるX県の意向で複線化されています。自治体主導による交通網整備って奴ですね。さらに、美咲空港からダイレクトに行ける、ということで、国内観光産業がダメダメであった時期でも青海半島は人気を維持できていたのです。しかし、それでも特急が8連(収容力的には6連)完全30分ヘッドでは観光路線としては供給過多で、平日の日中はガラガラにならざるを得ないでしょう。そのため、青海線の終点たる青海市は、それなりの規模を有する産業都市ということにしています。その意味では、線形・地形的にはまるで違いますが長崎本線の要素も混じっています。

 2015.03.07の更新で、筆者の中でずっと違和感を持っていた名取駅付近の高架線の設定を取りやめました。


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