南西急行電鉄研究会

車両運用

1.通勤用車両

 新東武鉄道東京メトロ、南西急行東京線(緩行線)の直通運転系統、いわゆるNEWS-Lineでは、3社の車両を世代ごとに(少なくとも機構的には)共通設計とし、3社の全車種を共通運用としている。このことにより、どの行路にどの社の車両を充当するかは、会社間の車両使用料の精算が四半期ごとに最も少なくなるように動的に割り当てられる(そのマネジメントは慣習的に南西急行が主体となって行っている)

 平成29年度末現在の各社の車種と編成数は以下のとおりで、全編成にグリーン車が連結され(詳細はこちらを参照)着席サービスの拡充が図られている。

所属会社車種所属編成数所要編成数予備編成数
新東武鉄道2000系
9000系
44本42本2本
東京メトロ18000系17本16本1本
南西急行電鉄1600系 19本
1800系 16本
35本33本2本

 下表は、NEWS-Lineの車両運用の概略を表したものである。典型的な通勤路線であり、平日日中と休日には遊んでいる編成が多い。

滞泊・留置先平日休日
使用昼間留置予備使用昼間留置予備
館林駅1本1本
羽生基地8本(1本)1本5本(1本)4本
新栃木基地11本4本7本
南栗橋基地7本(5本)1本5本(1本)3本
春日部基地14本(8本)1本5本(1本)10本
春日部駅 1本1本
西新井基地 9本(13本)9本
北千住駅 2本2本
大手町駅1本1本
恵比寿駅2本2本
目黒台運転所1本1本
紅林駅1本1本
紅林検車区19本(16本)2本18本(6本)3本
武蔵神宮駅1本1本
藤田駅電留線12本(6本)0本12本
神津駅1本1本

2.一般用車両

 一般用車両の運用の考え方は平成21年10月ダイヤ改正で激変した。すなわち、

改正前
全編成を4両編成で統一。列車も4両編成を基本とし、ラッシュ時や多客期に輸送需要に応じて4+4の8両編成を組む
改正後
列車は8両編成を基本とし、閑散時間帯は4両編成に減車する。行路上で分割・併合が発生する運用に4両編成を、終日8両編成で走行する運用に8両固定編成を充当する

 このことにより、一般用車両の置き換え(具体的には2200系建造)に際し高コストな先頭車の数を抑えている。

(1)4両編成車

線区所属数滞泊・留置先平日休日
使用昼間留置予備使用昼間留置予備
青海線2600系 16本八浦検車区8本(2本)4本7本(1本)5本
鶴神温泉駅4本4本
水澄線2600系 16本御幸台検車区8本(2本)3本7本(1本)4本
戸張駅4本4本
水澄運転所1本1本

 水澄線水澄東口駅水澄駅間のシャトル快速列車があるので青海線より1運用多い(この運用は需要に応じて8両編成が充当されることもある)

 下表は、分割・併合の回数を示している。作業は八浦検車区御幸台検車区の基地内のほか八浦駅矢積駅のホーム上および引上線、美咲駅のホーム上でも行われる。特に休日の美咲駅では、昼間に4+4の8両編成で到着した普通を4両編成の普通2本に分けて発車させ、夕~夜間には逆に4両編成で到着した2本の普通を併合して4+4の8両編成の普通として発車させるという変わった運転取扱が行われる。

 八浦駅矢積駅における併合作業の手順は【こちら】を、美咲駅における併合作業については【こちら】を参照されたい。

線区作業場所平日休日
分割併合分割併合
青海線美咲駅7回6回
八浦駅8回8回3回2回
八浦検車区0回(平日の翌日は1回)2回(平日の前日は3回)
水澄線美咲駅7回6回
矢積駅8回8回3回2回
御幸台検車区0回(平日の翌日は1回)2回(平日の前日は3回)

(2)8両編成車

   所属数滞泊・留置先平日休日
使用昼間留置予備使用昼間留置予備
青海線2200系 8本
6200系 4本
目黒台運転所(B運用 3本)  
関浜車両所(A運用 6本)(A運用 7本)
桂木町駅A運用 1本A運用 1本
八浦検車区A運用 3本
B運用 3本
(A運用 3本)
 
A運用 3本
 
3本
青海運転所A運用 5本A運用 3本2本
水澄線2200系 8本
6200系 4本
目黒台運転所(B運用 3本)  
関浜車両所(A運用 6本)(A運用 7本)
館川町駅A運用 1本A運用 1本
御幸台検車区A運用 3本
B運用 3本
(A運用 3本)
 
A運用 3本
 
3本
水澄運転所A運用 5本A運用 3本2本

 一般用8両編成車の運用は、以下のようにA・Bの二種類に分けられる。

A運用
青海線市浜以南・水澄線上原以西が行路に含まれ、TSP-ATS搭載車でなければ充当できない(簡単に言えば急行用車両で代替できない)運用。検査等で必要数を充足できない場合は一般用4両編成の予備車を充当する。
B運用
青海線市浜以南・水澄線上原以西が行路に含まれず、TSP-ATSを搭載していない車種でも充当できる運用であり、検査等で必要数を充足できない場合は急行用車両の予備車を充当する。平日朝ラッシュ時の新八浦矢積渋谷快急に充当される運用であるため、この快急の旧称(通勤特急)から「通特」運用とも呼ばれる。

 また、一般用8両編成車の運用は、平日と休日で全く異なる。

平日ダイヤ

 平日は、青海線・水澄線共に12編成が存在する中でA運用=9本・B運用=3本であり、予備車が無い。検査等で使用できない編成が生じると、上記のように他のグループの予備車で代替しなければならず、検査時期が被らないように調整するのが車両運用担当者の重要任務となっている。

 B運用で上京した編成は、所定運用では目黒台運転所に入庫→夕方に出庫して渋谷始発区急で帰区 と流れるが、目黒台運転所に収容せずに渋谷で折り返して団体・臨時列車を運転する場合には6200系が指定充当される(この団体・臨時列車が青海線市浜以南・水澄線上原以西に足を延ばす場合、この運用はB運用ではなくA運用になる)

 金曜日は、夕方に関浜車両所に一時入庫する行路を変更し、夜間に新成原渋谷間の急行4本と、渋谷八浦間、渋谷御幸台間の区急各2本が増発される。

休日ダイヤ

 休日にはB運用が無く、青海線水澄線の朝方の上り準急に投入され、

 このように、青海線所属の編成が水澄線内を1往復し、水澄線所属の編成が青海線内を1往復するという奇妙なパターンがそれぞれ6回反復される。これは、美咲駅のホームの利用効率を最大化するためであるが、どちらかの路線で輸送障害が発生すると即座に破綻する、リスクの高い運用方法であると言える。

「いきなり車交」について

 一般用8両編成は、所定の運用において昼間は全編成が車庫で寝ており、実は車両の利用効率が良いとは言えない。そこで、車両キロが車種ごとに偏らないように、日中に急行用車両の運用に本グループの車両を差し替えて代走させている。平成28年12月10日ダイヤ改正以降は快速美咲駅での折り返し場面で車両交換を行っている。また、休日ダイヤでは行路の途上での車両交換ではなく、行路に充当する車両そのものを入れ替える。

 この「いきなり車交」のため、特に東京線急行快速に、居住性の高い6200系や座席配置が他車種と大きく異なる2200系が突然充当されることがある。これは鉄道趣味的には興味深いが、サービスの均質化という観点ではあまり好ましいものではないであろう。

3.急行用車両

線区所属数滞泊・留置先平日休日
使用昼間留置予備使用昼間留置予備
東京線3200系 14本
5200系 14本
5400系 12本
新宿駅1本1本
旗塚駅1本1本
目黒台運転所7本(7本)7本(3本)
神津駅1本1本
関浜車両所9本(7本)2本9本(11本)2本
美咲駅1本1本
青海線八浦検車区9本9本
水澄線御幸台検車区9本9本

 平成14年3月ダイヤ改正により、それまで完全に区分していた急行用・快速用の車両運用を統合し現在に至っている。

 所属40編成、平日・休日共に使用38本・予備2本なので稼働率があまり変わらないことが判る。つまり、平日はラッシュ時間帯に増発するための車両を一般用8両編成で補っているのである。また、前述のように「いきなり車交」によって一般用8両編成を急行用車両の運用に充当して、車両キロの均等化を図ることがある。

 このグループは、搭載している保安装置の関係で、青海線市浜以南、水澄線上原以西には入線不可能。そのため、青海線水澄線での間合運用は区間運転の普通列車に限られる。また、目黒台線普通もこのグループが担当する。

4.臨時用車両

 平成28年末現在、6400系4両編成13本(うち1本は欧風仕様、2本はBayside Express仕様)7600系4両編成8本(うち2本はお座敷仕様)が所属する。従来充当されていた6000系緩行線用グリーン車へ転用され、廃車された車両の発生品を転用して八浦鉄道6000系が建造されており、南西急行の団体列車用に貸し出されることがよくある。団体列車には6200系も充当されるが、こちらは一般用車両に分類される。

(1)定期運用

 平成27年7月ダイヤ改正で新設された特急ひよどりの運用のみがあり、平成28年12月ダイヤ改正旗塚駅での分割・併合を伴わないダイヤに変更されている。平成30年7月21日ダイヤ改正以降、定期では標準で4両6編成が使われる。

系統所属数滞泊・留置先平日・休日
使用昼間留置予備
ひよどり7600系 06本
(お座敷仕様車2本は含まず)
6400系 12本
(欧風仕様車1本は含まず、BX仕様車2本は含む)
西新井基地3本
目黒台運転所3本
関浜車両所(6本)2本
波動(不定)10本

 上表の「西新井基地」とは新東武鉄道西新井駅の南側にある電留線。特急ひよどりは、営業的には東京メトロと南西急行のコラボレーションによる列車だが、実は新東武鉄道の協力があってこそ設定できているのである。

(2)増発・増結パターン

 南西急行は、沿線に多数の集客施設が存在するため、多客日には早朝に新宿北千住美咲方向で定期・不定期合わせて10便もの特急ひよどり が運転される増発列車のダイヤを参照)。そこで、6400系7600系4両編成18本72両(欧風仕様車およびお座敷仕様車を除外し、Bayside Express2編成は含む)を輸送需要に応じて組み替えて、有限の車両を最大限に活用している。なお、以下の連結パターンはあくまで一例であり、車両の組み合わせはこれに限ったものではない。

6400系7600系の陣容

車両運用/6400系・7600系の陣容.png
6400系7600系の陣容

 平成30年7月時点での6400系および7600系の陣容を示す。6400系は4両編成を前後2両ずつに分割して他の編成の増結車とすることができる(2両では自走できないことになっている)7600系は同様のことはできない。

 表の色分けは、後述の編成構成パターンにおいて、どの車両がどこへ来ているのかをわかりやすくするためのもので、それ以上の意味は無い。

8両編成を9本確保する

車両運用/6400系・7600系で8両編成を9本確保.png

 現状の陣容では、早朝下りの特急ひよどり10便全てを8両編成化することはできない。このパターンでは8両6本を定期の6便に充当し、残る8両3本は団体列車に充当するしか無いが、定期のひよどりに増結が必要な場面では当然ながら増発便の需要も大きいわけで、実際に適用されたことはない。

6両編成を12本確保する

車両運用/6400系・7600系で6両編成を12本確保.png

 早朝下りの特急ひよどり用6両編成を10本確保し、さらに団体列車用に2本を確保できる。現実問題としてこれが最も使い勝手の良いパターンであろう。ただし、6400系の4両編成6本を分割して他の編成に増結する作業(解結6回・連結12回)に多くの要員を要するのが難点となる。

6両編成6本と8両編成4本を確保する

車両運用/6400系・7600系で6両編成6本と8両編成4本を確保.png  早朝下りの特急ひよどりは、定期の6便が美咲空港向け、不定期の4便がKDR海浜公園駅が最寄り)・成原ポートシティ新成原駅が最寄り)向けであり、不定期便の需要が大きい場合(これら施設でイベントが開催されるなど)はこちらのパターンを使用する。

8両編成6本と6両編成4本を確保する

車両運用/6400系・7600系で8両編成6本と6両編成4本を確保.png  前述の場合とは逆に、美咲空港への需要が最大に見込まれる、GW・お盆・年末年始(いわゆるスリーシーズン)の出国ラッシュの日に適用される。このような日は休日ダイヤになるので、八浦鉄道6000系2両編成が×4本調達可能であり、6両編成4本に増結して8両編成を組むことも数の上ではできる。しかし現状では、南西急行の車両の制御用ソフトウェアがそのような編成形態に対応しておらず、実施不可能。

5.特急用車両

系統所属数滞泊・留置先平日・休日
使用昼間留置予備
なぎさ7400系 13本
7800系 14本
目黒台運転所2本
八浦検車区2本1本
鶴神温泉駅2本
青海運転所6本
ひびき目黒台運転所2本
御幸台検車区2本1本
水澄運転所8本
共通目黒台運転所1本

 近年の車両の動きについては別項を参照

 特急なぎさ・ひびき用の7400系・7800系は8両固定編成で合計27本あり、検査予備1本と入場予備1本で非稼働予備編成を2本確保している。さらに、目黒台運転所に1本を常駐させている。これは上り列車が輸送障害等で大幅に遅れて折返し運用に充当できなくなる場合に備え、東京から美咲空港へ向かう乗客を救済する特発列車を出すためのもので、稼働予備編成と呼んでいる。

 このように、特急車は稼働率が非常に高い(これがライフサイクルが短くなる原因である)ため、予備編成を臨時列車・団体列車に充当することは滅多にない。

 「なぎさ」は主に青海ヶ浦駅および青海運転所、「ひびき」は主に水澄駅および水澄運転所で特急車としての仕立整備を行う。運転所に引き上げる場合はトイレの汚物抜き取りも実施している。新宿駅では、ゴミの回収と簡単な清掃作業、リネン交換を行う程度である。

車両運用/特急車両運用図.gif
特急用車両運用図表(平成28年12月改正)


最近の更新
アクセス数
累計: 414441
本日: 3352
昨日: 4113
一昨日: 5826

Contents