目黒台線
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1.路線概要
目黒台線は平成26年7月5日に開業した旗塚駅~目黒台駅間3.2kmの新線である。起点たる旗塚駅付近を除く全線が地下区間であり、騒音防止のため運転最高速度は75km/hに制限される。途中駅として窯硅院駅が設けられ、終点目黒台駅の南側の目黒台公園の地下には車両基地(目黒台運転所)があり、事実上、車両基地への入出区線を旅客線兼用としたものと考えて差し支えない。
なお、終点目黒台駅は、目黒台公園内に建設された競技場Megurodai-Studion(某Jリーグチームの本拠地となっている)の最寄駅となっており、目黒台線は観客輸送の主力としても期待されている。
2.駅一覧
キロ呈 | 駅No | 駅名 | 普通 |
0.0 | SX04 | 旗塚駅 | ■ |
1.5 | SX91 | 窯硅院駅 | ■ |
3.2 | SX92 | 目黒台駅 | ■ |
3.配線図
目黒台線は上下線がそれぞれ両方向に運転できる双単線方式の設備となっている。
4.目黒台線建設の経緯

図では一部路線・駅を省略している
当線は、東急蒲田線と南西急行東京線に挟まれた鉄道空白地帯の再開発計画「目黒台」へのアクセス確保を目的に建設されたものである。この再開発計画の主体は東急グループであり、立案当初は、東急蒲田線から分岐する新線を建設することが考えられていた。しかし、それでは新宿・渋谷からの利便性に難があるため、同業他社(というより競合会社)たる南西急行の旗塚駅から分岐する形での新線建設に方針を転換したのである。つまり、本来、当線は東急電鉄の路線となるはずであり、驚くべきことに当初は単線で計画されていた。
一方、乗り入れを求められた側である南西急行は、三泉駅の完全高架化と三泉運転所の移転について東京都と協議が難航している状況であり、代替となる車両基地をこの新路線の末端に設ける条件で協議に応じた。
最終的な建設スキームは、
という複雑なものになっている。
協議の上での最大の問題は上記の第4項であった。つまり、目黒台運転所は東急ではなく南西急行が必要としているのだから南西急行の資金で建設すべき、という話になったのである。これに対し、南西急行側は「車両基地移転の話が無ければそもそもこの協議に応じていない。基地の設備はともかく、基地スペースを確保する費用は東急電鉄が負担すべき」と反論し、「目黒台線運行に必要な営業費用、車両新造費等は南西急行が将来に渡って負担する」という新条件を提示して妥結した。これは、目黒台線が赤字運行になるリスクを南西急行が背負うことを意味している。なお、南西急行は目黒台運転所の自社負担分の工事費を三泉運転所移転に関する東京都からの補償金によって賄っており、この点はかなりしたたかに動いたのであった。
5.再開発計画の概要
「目黒台」とは、本来この地にあった地名ではなく、東急グループがいわば勝手に付けたものであるが、絶妙な名称でもあった。この用地は大規模な公団住宅のあったところで、老朽化によって撤去された跡地を東急グループが入手して再開発計画を立ち上げたのである。そのコンセプトは「コンパクトシティの概念に基づき、山手線の外にビジネス街を建設すること」であった。周知のように、東京の地価は山手線の内側であるか外側であるかによって大きな格差があり、その固定観念を覆すことによって東急は自社の保有する他の用地の価値を高めることを狙っていたのだった。
計画としては、再開発エリアを大きく「住宅・文教地区」「業務街区」「公園地区」の3つに分け、このエリアだけで生活の大半の場面をカバーできるように考慮された。しかも、それには雨に濡れないことが必須とされ、目黒台駅とショッピングモール「Megurodai-Mall」の構造もそれに拠っている。ただし、コンパクトシティの理念そのものは正しくとも、現実にはその理念を具体化するにはこの用地は狭すぎた。結果的に、域内に学校や病院を設けることはできなかったし、文化施設も渋谷に依存する形となっている。
公園地区には、集客施設として競技施設「Megurodai-Studion」が誘致された。これは本プロジェクトを「単なる職住接近のための高層オフィスビルと高層マンションの複合開発計画」に終わらせないために必須のものであった。だが、観客の輸送のためにはそれなりの輸送力を備えた公共輸送機関が必要であり、複線の鉄道路線が求められたこともあって、プロジェクト全体のコストを押し上げたのだった。
6.目黒台線のダイヤ
目黒台線のダイヤは、東急電鉄との協議に基づき、以下を基本に設定されている。
- 1時間あたり4往復以上の運転本数を確保(実際には15分間隔)
- 新宿・渋谷へ直通(朝・夕方ラッシュ時は旗塚発着を許容する)
- 南西急行側の臨時列車運転等のダイヤ変更に伴って直通運転を取りやめることがある
令和2年3月14日ダイヤ改正では、この第二項を逆手にとって、6~7時台の新宿直通列車を削減したため不評を買っている(捻出した編成2本を活用して混雑の激しい急行線下り列車を増発するためなのだが、乗客というものは自分の都合でしか物事を考えないものである)。

なお、Megurodai-Studuionへの観客輸送列車のダイヤについては別項を参照されたい。