新東武鉄道のダイヤ
toratora.wikiは2023年3月31日をもってサービスを終了します。
本項では新東武鉄道のうち、伊勢崎線系・日光線系各線のダイヤを取り扱っている(伊勢崎線の緩行線と野田線を除く)。直通運転先である新東京メトロ谷町線および南西急行線とのダイヤについてはNEWS-Lineのダイヤを参照されたい。 |
1.ダイヤの概要
(1)令和4年3月改正概要
当研究会では令和3年3月ダイヤ改正を機に、WebDIAによる時刻表の表示方法を変更した。いわゆるNEWS-Lineの全区間を一括で表示するようにした他、伊勢崎線系・日光線系の各線の表示範囲を調整している。なお、佐野線・小泉線・宇都宮線については変更は無い。
新東武鉄道では2022(令和4)年3月12日に日光線系の特急列車を大きくリストラするダイヤ改正を実施した。伊勢崎線等の他線区には変更はない。
(2)列車種別と停車駅

新東武鉄道は、平成20年6月のいわゆる20.6改正により列車種別系統の抜本的見直しを行っており、これをベースに、平成29年4月(29.4)には日光線快速の特急格上を中心としたダイヤ改正を実施した。特急列車はJR直通を含めて7系統に整理されている。また、末端区間を普通列車化することでローカル輸送の利便性確保にも配慮している。
(3)列車番号の体系
名称 | 列車番号 | 記事 |
特急あかまつ | 00台 | 浅草~会津若松間を3時間半で走破する最長距離特急。愛称は会津若松市の木からとっている。2時間ヘッドの運転で(「きぬがわ」と合わせて1時間ヘッドとなる)、使用車両は300系。下今市以南は「けごん」と併結で運転する。 |
特急日光 | 20台 | 新宿~東武日光間を2時間ヘッドで運転。使用車両は100系。 |
特急きぬがわ | 50台 | 浅草~下今市間が特急、下今市以北は普通列車扱いで会津田島まで入線する。2時間ヘッドの運転で、使用車両は300系。下今市以南は「けごん」と併結で運転する。 |
特急スカイツリーライナー | 70台 | 平日朝に東武動物公園→浅草間2本、平日夜間に浅草→南栗橋間3本が運転される。使用車両は300系。 |
特急りょうもう | 100台 | 浅草と両毛地区を結ぶビジネス特急。太田から先は普通列車扱い。伊勢崎へ向かう系統が100台、赤城へ向かう系統が150台の番号となり、それぞれ1時間ヘッド(合わせて30分ヘッド)で運転。使用車両は200系および600系 |
特急けごん | 200台 | 浅草~東武日光間を1時間ヘッドで運転。使用車両は新鋭300系。下今市以南は「あかまつ」・「きぬがわ」と併結運転 |
特急しもつけ | 250台 | H29.4改正で快速から格上げで特急化されたが、R4.3改正で大部分が廃止され、早朝の上り列車1本と深夜の下り列車1本のみとなった。使用車両は300系。 |
急行 | 日光線系:2000台 伊勢崎線系:2100台 | 日中は地下鉄谷町線~館林・新栃木間の2系統がそれぞれ30分ヘッドで運転される。谷町線内は各駅に停車。 |
区間急行 | 日光線系:2200台 伊勢崎線系:2300台 | 急行の停車駅に北春日部・姫宮を追加したタイプで、準急が春日部・北春日部折り返しとなるタイミングに合わせて設定されている。 |
準急 | 日光線系:3000台 伊勢崎線系:3100台 その他:3200台 | 朝夕に準快の代替として運転される。谷町線内と新越谷以北は各駅に停車。 |
準快 | 日光線系:3600台 伊勢崎線系:3700台 | 平日の日中時間帯と休日に運転される。地下鉄谷町線内でも通過運転を行い、谷町線、南西急行線内でも列車種別が変わらないようにダイヤが組まれている。伊勢崎線加須、日光線南栗橋で折り返す系統がそれぞれ30分ヘッドの運転となるのが基本で、通学時間帯に館林・新栃木まで延長される便がある。 |
各停 | 新東武鉄道においては地下鉄日比谷線直通列車を「各停」と称している。日中は北越谷折り返しで7分30秒ヘッドで運転される。20.6改正以降、北越谷から北には入線しなくなった。 | |
普通 | 日比谷線直通以外の各駅停車型列車。日中時間帯の主な系統と運転本数は以下のとおり。 | |
伊勢崎線:5000台 | 浅草~北千住 4本/H(3000系 4両) | |
亀戸線:5200台 | 亀戸~北千住 4本/H(3000系 4両) | |
亀戸線:5400台 | 亀戸~曳船(朝・夜運転 3000系 4両) | |
大師線:5600台 | 西新井~大師前 4本/H(3000系 2両) | |
日光線:6000台 | 新大平下・新栃木~日光(6500系 3両または600系6両) | |
宇都宮線:6200台 | 栃木~東武宇都宮 2本/H(3000系 4両) | |
鬼怒川線:6400台 | 新大平下・下今市~新藤原 1本/1H(6500系 3両) | |
野岩鉄道:6600台 | 下今市~会津田島(特急から種別変更される列車が大半のため実際には6600台はほとんど使われない) 1本/1H(300系 3両・6両) | |
会津鉄道:6800台 | 会津田島~会津若松 1本/2H(会津鉄道6700系 2両・4両、新東武300系 3両) | |
伊勢崎線:7100台 | 館林~(足利・太田経由)~伊勢崎 1本/H(700系 4両) | |
桐生線:7300台 | 館林~(足利・太田経由)~赤城 1本/H(700系 4両) | |
佐野線:7500台 | 館林~葛生 2本/H(一部佐野市折り返し)(700系 3両) | |
小泉線:7700台 | 館林~(東小泉経由)~太田 1本/H(700系 2両) | |
小泉支線:7750台 | 館林~西小泉 1本/H(700系 2両) |
2.平成20年6月ダイヤ改正の概要
このダイヤ改正は現在の新東武鉄道のダイヤの根幹を成したものとして重要である。その概要は以下のとおりで、列車種別および運転系統のシンプル化が徹底されたほか、会津鉄道線の直流電化開業により浅草~会津若松間に直通特急が新設された。
(1)列車種別体系の見直し
これまでは準急系の名称が多すぎて煩雑になっていたため、あまり活用されていなかった「急行」を主力とするよう、列車種別名称を見直した。「準急」を「急行」に格上げ、「区間準急」を「準快」に名称変更し、新たに「区間急行」を登場させている。
(2)日光線特急・快速の運転系統整理
従来、日光線系の特急は浅草発の「けごん」「きぬ」、JR直通の「(スペーシア)日光」「(スペーシア)きぬがわ」が設定されていたが、20.6改正では浅草発を鬼怒川方面に向かう「きぬがわ」「あかまつ」、JR直通列車を 日光に向かう「けごん」に統一した。「あかまつ」は、改正の目玉として登場した会津若松直通特急で、野岩鉄道線内はノンストップ、会津鉄道線内でも速達サービスを展開し、東京と会津地方を結ぶ新たなメインルートとして期待されている。
また、20.6改正では、野岩鉄道線・会津鉄道線のテコ入れ策として、両線への直通列車を従来の快速から特急に変更した。両線は首都圏から遠く、足の遅い快速の直通運転では観光アクセス手段としては難があるためである。
「きぬがわ」「あかまつ」は下今市で日光発着の快速と、「けごん」は鬼怒川方面の普通列車と相互接続することで、どの列車でも日光・鬼怒川の両方向に行けるようになっている。
(3)特急「りょうもう」の太田以遠普通列車化
伊勢崎線系「りょうもう」については、20.6改正で完全30分ヘッドの運転とした他、太田以遠伊勢崎・赤城までの区間を普通列車化して、同区間のローカル輸送を充実させた。列車愛称は「りょうもう」のままで、行先別の愛称分離は行わず、伊勢崎発着を100番台、赤城発着を150番台の便番号とすることで区別している。伊勢崎発着便は太田で赤城発着の普通と、赤城発着便は同じく太田で伊勢崎発着の普通と相互接続しており、伊勢崎線・桐生線双方で30分ヘッドのダイヤが構築され、利便性が大幅に向上した。
3.平成27年7月ダイヤ改正の概要
本改正では、新東京メトロ谷町線および南西急行のダイヤ改正に合わせて、全体の運転時刻が下り列車で5分、上り列車で10分繰り下げられた。これに伴い新東武鉄道では、単線区間となる日光線・鬼怒川線下今市以遠と伊勢崎線・桐生線太田以遠での列車交換のパターンを崩さないように、下今市駅・太田駅で停車時間を伸ばして調整しており、特に上り優等列車は所要時間が数分延びている。また、各支線では本線に合わせてスジを繰り下げた。
(1)浅草口優等列車の時刻修正
平成24年3月17日のとうきょうスカイツリー駅開業(業平橋駅の改称・リニューアル)により優等列車が停車するようになったが、これは臨時停車であって、特に下り列車は当駅停車によるタイムロスを北千住駅の停車時間を短縮することでカバーしていた。しかし、この取り扱いを常態化するのは問題があって本改正で正規の停車駅となり、浅草駅~北千住駅間の優等列車の所要時間は10分から12分に延びた。
(2)平日朝ラッシュ時の浅草口のダイヤパターン変更
従来、平日朝ラッシュ時間帯には北千住~浅草間、北千住~亀戸間各15分毎の正規パターンに加え、曳舟~亀戸間の区間運転列車を15分毎に増発していた。ところが、東京スカイツリー開業に伴い浅草口の通勤需要が増加しこのダイヤでは対応が困難になり、本改正では北千住~浅草間7.5分毎、曳舟~亀戸間7.5分毎として浅草側の輸送力を増強した。亀戸線はこの時間帯のみ曳舟駅での乗換が必要となりサービスダウンとなった。
(3)平日夕ラッシュ時の日光線区間急行の一部運転区間短縮
平日夕方ラッシュ時間帯に運転される日光線新栃木行区間急行のうち4本が本改正で南栗橋行に短縮された。これは日光線栗橋以遠の需要が少ないためと新東武側では説明している。実のところ、旧ダイヤではこの区間急行に充当した編成を新栃木から南栗橋まで回送して入庫させており、この手間とコストを省きたかったという側面もあるようだ。
4.平成29年4月21日ダイヤ改正の概要
(1)快速の廃止と日光行特急の再編
いわゆる20.6改正において、JR直通特急は東武日光発着の「けごん」に統一され、浅草からの日光行特急は設定されなくなった。それを補完するため、後述のように下今市駅における接続が考慮されてきたところであるが、近年の訪日外国人客の急増により「今や国際的観光地となった浅草から世界遺産日光への直通特急が無いのは不詳」という事態となった。
そこで、本改正では、従来から浅草~日光の直通サービスを担ってきた快速を廃止し、速達型の「けごん」と地域輸送機能を兼ねた「しもつけ」の2系統の特急に置き換えることとなった。「けごん」「しもつけ」に充当する特急用車両は新型車600系が新たに用意されている。JR直通特急は「日光」に改称され、これのみ漢字の名称として特別な便であることを強調するようになった。
なお、余談ながら、従来から早朝・深夜に運転されていた特急「ビジネスライナー」71・72号は「しもつけ」の系統に編入されている。ただしこの2本の停車駅は変わらないため、「しもつけ」には停車駅パターンが二種類あることになる。
(2)日光線・鬼怒川線普通列車の増発
従来の快速は新大平下以北を各駅に停車して地域輸送を担っていたが、その約半数が「けごん」として特急化・速達化されたことを受けて、その分を補うための普通列車が増発された。「しもつけ」は栃木駅以北が普通列車となるため、この増発便と合わせて、新大平下・栃木駅~東武日光間で日中1時間ヘッドの便数が確保されている。
また、鬼怒川線では、日光への訪日外国人客の増と同線沿線の観光開発(再開発というべきか)に伴い輸送需要が急増しており、輸送力も列車頻度も不足するようになった。そこで、鬼怒川線内運転の普通列車が2時間ヘッド(下今市でJR直通特急に接続)から1時間ヘッドに増発され、東武日光発着の全特急列車が下今市で鬼怒川線列車に接続するようになっている。これらの普通列車には、快速の廃止によって捻出された6500系が充当される。
(3)小佐越駅の移転・改称
鬼怒川線小佐越駅が北に600m移設され「東武ワールドスクウェア駅」へ改称。同施設へのアクセスを改善した。また、新駅から旧鬼怒立岩信号場(廃止済)までの間が新たに複線化され、結果として東武ワールドスクウェア~鬼怒川温泉駅間が複線となった。新ダイヤでは同区間で特急同士の行き違いを行うようになっており、この設備改良は鬼怒川線の輸送安定性を大きく改善するものとして期待されている。
(4)特急「あかまつ1号」延長・「きぬがわ70号」増発
従来、東武日光発→会津若松行で運転されてきた「あかまつ1号」を浅草06:05発→会津若松09:34着に変更。直通列車での会津若松市内滞在時間が2時間ちかく伸びて、観光が格段に便利になった。「きぬがわ70号」は「あかまつ1号」に充当する編成の送り込み列車である。
なお、「あかまつ1号」延長により、それに前後する準急のダイヤが建て替えられており、南西急行・新東京メトロ谷町線側の列車にも行き先変更等の影響が出ている。
(5)ビジネスライナー増発とせんげん台停車
平日夜間運転の浅草→南栗橋間の「ビジネスライナー」が2本から3本に増発され、新たにせんげん台に停車するようになった。これは600系投入による副産物で、3本とも同車種が充当される。ちなみに、平日深夜に運転される珍列車で南栗橋→浅草間の区間急行A2208レも車種が300系から600系に変更された。
(6)下今市以北の時刻調整
前回のダイヤ改正で日光線・鬼怒川線は上下線のタイミングが5分ズレたため、下今市駅で上り列車を5分時間調整することで辻褄を合わせていた。上り列車に余裕時分を与えることで東京側に遅延を持ち込まないようにする方策である。しかし、上り列車の乗客にとってはこの待ち時間はイラつくだけのものであって、大変不評を買っていた。
そこで、本改正では、日光線下今市駅以北と鬼怒川線・野岩鉄道・会津鉄道各線のダイヤを全体的に3分後ろにズラして上り列車の調整時間を短縮。逆に下り列車には3分の余裕時間を追加することで輸送安定度を全体的に向上させた。ただし、それでも下今市駅における停車時間は上下列車ともかなり長いことは変わらず、より一層の改善が求められるところである。
5.令和2年3月14日ダイヤ改正の概要
(1)平日朝ラッシュ時の特急の設定
本改正では、少子高齢化やいわゆる「働き方改革」の影響により通勤需要が減少したことを受けて、平日朝ラッシュ時間帯の一般列車を特急列車に置き換える一大方針転換を行った。増発された特急は北千住到着時刻で07:37(スカイツリーライナー72号)、07:52(りょうもう154号)、08:07(しもつけ254号)、08:22(りょうもう104号)、08:37(きぬがわ51号)、08:52(りょうもう156号)の6本。群馬県・栃木県方面からの乗客にとっては、通勤時間帯に特急が利用できず不便を極めていたのが大幅に改善された。
(2)通勤列車の輸送力調整
反面、平日朝ラッシュ時の通勤列車のダイヤパターンは15分間に急行2・準急4本であったところ、日光線からの準急1本が削減された。さらに、従来は無かった越谷・草加での特急列車待避が設定されて所要時間が延びており、通勤客にとっては踏んだり蹴ったりの内容となっている。逆ラッシュとなる下り方向でも、従来は15分パターンの中に準急が2分間隔で3本雁行する場面があったが、そのなかの2本目が廃止された。
(3)伊勢崎線平日・休日ダイヤの変更
また、通勤時間帯に特急を設定したことで、新東武鉄道の長年の悲願であった平日・休日の特急列車のダイヤ統一が果たされている。その恩恵として、伊勢崎線(館林以遠)および桐生線では平日・休日のダイヤが大きく異なっていて大変判りにくかったのが改善された。
6.令和3年3月13日ダイヤ改正の概要
(1)終電繰り上げ
本改正では、コロナ禍の影響を受けて深夜時間帯の需要が激減したことを受け、さらに鉄道設備の保守・工事間合いを拡大する目的で、館林・新栃木以南のほぼ全線において終電を30分程度繰り上げるダイヤ修正を行った。それにともない一部列車の時刻・行先変更が発生している。
(2)深夜時間帯の特急「きぬがわ」を「あかまつ」に変更
野岩鉄道線・会津鉄道線内のローカル駅の旅客需要が振るわない現状を受け、下り(北行)の会津田島行「きぬがわ63号」を「あかまつ13号」に、上り(南行)の会津田島発「きぬがわ70号」を「あかまつ14号」に変更した。これにより、新藤原駅等で発生していた20分強の時間調整が解消され所要時間短縮が図られている。
7.令和4年3月12日ダイヤ改正の概要
(1)日光線系特急の下今市以南併結運転導入
鬼怒川線方面「あかまつ・きぬがわ」+日光行「けごん」 の形で300系3両編成を2本併結し下今市駅で分割・併合を行う運転方法を導入。もともと新東武300系はこの運転パターンに対応するために3両編成となっていたが、長らく鬼怒川線方面特急の輸送力調整のために活用されており、ようやく本来の目的に活用されるようになった。
(2)特急「しもつけ」の大部分を廃止
平成29年4月21日ダイヤ改正でそれまでの「快速」を格上げして登場した「しもつけ」であったが、コロナ渦の中で特急の輸送需要が低迷し、早朝の上り1本と深夜の下り1本を除いて廃止された。その代替として、新大平下~東武日光間および新大平下~新藤原間にそれぞれ2時間ヘッドで普通列車が運転されるようになっている。
「しもつけ」廃止によって特急スジが1時間に1往復分浮くことになったが、このスジは南西急行でいうところの盛り込みスジとして臨時列車や回送・事業用列車の運転に活用される。