南西急行電鉄研究会

新宿駅改良

1.改良前の新宿駅

京神電鉄/京神電鉄時代の新宿駅.gif
京神電鉄時代の新宿駅
新宿駅改良/shinjuku-S61.gif
特急ホーム増設後、昭和61(1986)年3月時点の新宿駅
 南西急行の駅は、昭和29年11月の渋谷駅新宿駅間延伸開業時に開設された当時は1・2番線のみであり(上段の図版)、3・4番線は、湾岸新線全通に伴う特急の運転開始に備えて昭和55年5月に増設されたものである(用地は確保されていた)。図版のように甲州街道の陸橋から駅ビルの2階に直接出入りできる構造ではあったが、国鉄や他の私鉄との乗換は位置的に不便で、周辺の環境も良好とは言えず、開業以来常に場末感が付きまとっていた。それでも当駅がそこそこの乗降客数を確保できたのは、新宿の繁華街に最も近い立地であったことによる。

 京神電鉄は、いずれ周辺を再開発する構想を持っていたようである。しかし実際には、その後のヨンサントオ協定に基づく各種建設工事紅林複々線化湾岸新線など)が優先され、それどころではなくなってしまう。これらのプロジェクトがひと段落した後も、東京側ターミナルの改良は構造的に大きな問題を抱えていた渋谷駅が優先され(別項を参照)、新宿駅は置き去りにされていたと言って良いであろう。

 下段の図版は、国鉄(JR化は昭和62(1987)年4月)埼京線の運転区間が池袋から新宿に延伸されたに伴い、新宿駅に1・2番線ホームが増設された時点のものである。南西急行の駅は開設以来30年以上を経過して老朽化が指摘されていた。このころは新宿貨物駅は廃止済であり、跡地は国鉄清算事業団に承継されることになっていた。

2.新南口開設と周辺再開発

新宿駅改良/shinjuku-H3.gif
平成3年3月時点の新宿駅
 平成3年3月、JR東日本は成田空港線開業に伴いアクセス専用特急「エアーエクスプレス」の運転を開始。それに対応して3・4番線ホームと新南口駅舎を新設した。図版はその時点の駅構造である。

 このころ、国鉄清算事業団は貨物駅跡地の再開発に関してJR東・南西急行と基本協定を締結していた。この協定では、南西急行の新宿駅をJRの線路側に移設し、貨物駅跡地と一体的に整備して複合型商業施設(現在のTimes-Square等)を設けること、また、JR側がこの施設に直結する新駅舎を設けることが定められていた。よって、JR新南口駅舎はその前提で設計されている(この時点では、3・4番線ホームへのアクセスを改善するため、先行的に新設された部分のみが使用開始された)

 再開発プロジェクトは平成5年10月に着工された。南西急行はこの時点で新宿駅の営業を一旦休止している。これは、渋谷駅改良工事の際に、駅を営業しながら工事を施工することの困難にイヤ気がさした懲りたためと言われている。そのような措置が可能であった背景として、当時の南西急行にとって、営業休止による利益逸失よりも工事費低減と工期短縮のメリットの方が大きかったことが挙げられよう。また、戦後間も無い時期の施工であり老朽化が問題化していた「明治通りトンネル」の改修工事が必要とされていた点も見逃せない。

 旧駅の解体工事は新宿駅の営業休止の翌日から始まった。図版の白の点線は新ホームの位置を示しており、この時点ではすでに新ホーム下にあたる駅ビルの基礎工事は始められていた。

3.新宿駅改良工事に伴う線路配線の変遷

新宿駅改良/haisen-shinjuku-kairyo.gif
東京線東京口の線路配線の変遷

STEP1:新宿駅の営業休止直前の配線。旗塚駅東京線輸送力増強工事により5・6番線ホームが新設されたほか、新宿駅営業休止の期間中の折り返し機能を補完するため、4・5番線から美咲方への折り返し線が設けられた(詳細は別項を参照)。この線路は下り急行線との合流点の手前に1編成収容可能なダンパー線としての機能も有し、4・5番線を折り返し列車が長時間塞ぐことが無いようになっている。また、渋谷駅改良工事に伴い、折り返し線を2線に増設して新宿駅の営業停止に備えている。

STEP2:営業休止直後。明治通りトンネルを含めて一時的に線路が使用停止され、新宿旧駅の解体工事が始まっている。また、新宿新駅はTimes-Squareのビルの基礎工事後、ホームが形になろうとしている段階であった。

STEP3:新駅開業時点。新宿駅は、発着頻度が高い1・2番線の交差支障時分を短縮する配線に改められている。

 なお、新宿駅営業休止中のダイヤについてはこちらを参照されたい

4.明治通りトンネルの改修工事

新宿駅改良/meiji-tunnel1.gif
改修前の明治通りトンネル

 新宿駅の改築に併せて、明治通りトンネルの大改修工事が施工された。同トンネルは都市部の地下トンネルとしては施工時期が古く、漏水や壁面の剥離等が見られるようになっていた。また、旗塚駅改良工事により同駅の保守用車基地が廃止されてトンネルの保守作業が辛くなるため、同トンネルを極力メンテナンスレスな設備に改修する必要があったのである。


新宿駅改良/meiji-tunnel2.gif
改修後の明治通りトンネル
 改修工事のメニューは、トンネル覆工の補修、バラスト軌道の直結軌道化とレール交換、カテナリ架線の剛体架線化、照明の更新…と多岐に渡った。3年間の工期であっても工程はかなり苦しいものであった。特に、平成7年1月の阪神淡路大震災を受けて、支柱の耐震補強が急遽施工内容に追加された影響が大きかったという。

5.新駅開業と新たなプロジェクト

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平成8年10月時点の新宿駅
 平成8年10月、再開発工事が完工し、南西急行の新しい新宿駅が開業した。また、JR東日本側では新南口駅舎を拡張して、南西急行駅に直結するコンコースを設けている。駅舎の1階は高速バスのターミナルとなった。

 また、このころ、甲州街道の老朽化対策と耐震補強(折しも平成7年1月には阪神淡路大震災があった)としての陸橋の架け替え(国道20号新宿跨線橋架替)と、JRの線路上空のスペースに人工地盤を設けて交通結節点としての機能を増強する「新宿駅南口地区基盤整備」という二つのプロジェクトが立ち上がっている。これは、新宿に集まる鉄道各社と、国(甲州街道の道路管理者)・都が関係する大変複雑なものであり、難協議の末、平成11年度に着工された。

6.甲州街道架替と基盤整備の進捗

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平成24年10月時点の新宿駅
 図版は平成24年10月ごろの様子を示したもので、このころには甲州街道跨線橋の架け替えはほぼ完了しており、JRの新南口駅舎の拡張および「交通結節点(後のバスタ新宿)」の建設が真っ最中となっている。南西急行の新宿駅は、JR新南口ビル建設のため一時的にJR側とコンコースが分離され、Times-Squareのビル内に階段・エスカレータを仮設している(車椅子利用者に対しては、ビル内のエレベータを使用して対応)

7.新宿駅南口地区基盤整備事業の完成

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平成28年4月時点の新宿駅
 図版は平成28年4月時点の構造を示している。JR駅の上空には広大な人工地盤が設けられ、2FがJR新宿駅駅舎、3Fがタクシー乗降場・高速バス降車場、4Fが高速バスターミナルとなっている。この事業の完成により、同駅近傍の19箇所に散らばっていたバス発着所が統合され、タクシーの乗降による甲州街道の渋滞も大幅に緩和されるなど、新宿駅周辺の交通事業が劇的に改善された。

 JR東が建設した高層ビル(ミライナタワー)の1F・2Fは元通り南西急行駅への直結コンコースとなっている。つまりJR東が南西急行のターミナル駅を整備した形になるが、これは新宿貨物駅跡地再開発の協定の中で南西急行とJR東で用地を交換した(南西急行から見れば、新宿駅本体や繁華街に近い駅ビル部分をJR東に譲渡し、ホームを美咲方に後退させている)という20年以上前の経緯に基づいている。

 また、この事業に合わせて、南西急行側も駅の改良工事を完成させた。Times-Squareの1Fの一部をラチ内化し、そこへ待合室と小規模なエキナカを整備している。これは、新宿駅全体の機能が増強されることで南西急行の駅設備が相対的にショボく見えてしまうのを防ぐためで、特急列車始発駅として今一つ機能不足であった同駅がようやく面目を一新した。

8.妄想の解説

 現実世界の新宿駅に、南西急行の新宿駅という介在物の要素を付け加えて、構造の変遷を設定しました。2016.04.09の更新で、これまで完成予想図であった第7節の図版を作り替えました。

 バスタ新宿の構造は、現実のものとは少し異なっています。このページの内容はあくまで妄想です。現実世界と混同しないよう切にお願いします。



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