南西急行電鉄研究会

南西急行の特殊な列車運行

 本項では、南西急行の列車運転の中でも、特殊な取り扱いをしている事例をいくつか紹介する。

1.八浦駅における八浦鉄道増発列車の運転取扱

南西急行の特殊な列車運行/平日朝ラッシュ時の八浦鉄道増発運用.gif
平日朝ラッシュ時の八浦鉄道増発列車の動き
 いきなり他社直通列車の事例となることはご容赦いただきたい。八浦鉄道時刻表を見ると、平日朝ラッシュ時には、通常の30分ヘッドに加えてさらに30分ヘッドの増発便を運転していることが判る。この増発便には、八浦検車区に留置されている八浦鉄道6000系の2両編成を2本出庫させて充当しているが、この出庫列車の動きに特徴がある。
  1. 05:52に新八浦発樫川行2004レが新八浦を発車、05:55に八浦1番線に到着し06:00に発車。
  2. 05:59に八浦検車区を出庫した2006Aレが06:02に八浦駅1番線に到着後、本線入換を行い06:07に2番線に据付。
  3. 06:10に樫川発新八浦行2003レが八浦駅1番線に到着。
  4. 06:15、八浦駅1番線から2003レが新八浦方へ、2番線から2006Aレが樫川方へ発車。

 本来であれば、八浦駅の2番線は新八浦方からも到着できるように配線すべきなのだが、この進路を使うのは1日に2回であること、安全側線の設置や過走余裕距離の確保など設備コストが大きくなること等から、改良工事の際にコストダウンが断行されて今の姿になっているのである。

2.桂木町・美咲における普通と臨時特急の接続

南西急行の特殊な列車運行/早朝の普通列車と増発特急ひよどり34号との接続.gif
早朝の普通列車と増発特急ひよどり54号との接続
 別項で述べているように、休日の早朝の上り臨時特急ひよどり54号は異例の桂木町始発で設定されている。その理由を以下に示す。

【1】特急ひよどり54号が桂木町駅2番線に据え付けられているところへ、青海線普通2304レ(新八浦05:12発)が05:42に桂木町に発着。特急ひよどり54号へ乗換ができる。

【2】05:45に青海線普通2304レと水澄線普通2402レ(御幸台05:10発)が美咲に到着

【3】05:47に特急ひよどり54号が美咲駅3番線に到着。水澄線普通2402レからの乗換客を受け入れて、05:48に東京線方へ出発。

 …このように、青海線水澄線両方の普通列車から同ホーム乗換ができるようにしているのである。ちなみに、美咲駅の1~4番線から東京方面へ出発する列車の設定は極めて稀で、このような運転が可能なのは、列車本数が少ない早朝だからである。これ以外には大晦日の終夜運転における青海線水澄線からの東京線直通区快ぐらいしかない。

3.平日朝ラッシュ時間帯の旗塚始発団体臨時列車の運転

南西急行の特殊な列車運行/朝ラッシュ時に上り快急で上京した6200系編成を旗塚発の団臨に仕立てる手順.gif
朝ラッシュ時に上り快急で上京した6200系編成を旗塚発の団臨に仕立てる手順
 周知のように、平日の朝ラッシュ時間帯は、修学旅行を中心とした東京口発の団体列車の需要が最も大きい時間帯でもある。しかし、この時間帯は持てる輸送力の全てを使って通勤輸送をしており、団体列車に充当する編成を確保するのは容易ではない。そこで、南西急行では団体列車にも使用できる仕様の車両(6200系)を快急として上京させ、その折返しに団体列車の行路を組み込むという方策を採っている。ここでは、その際の列車の動きを見てみよう。
  1. 新八浦発06:13の快急6702Aレが07:28に渋谷に到着。このときに車内整備の作業員を乗せて、すぐに22番線に引上げる。折返しを待つ間に、座席の回転6200系の座席は回転クロスシートである)と車内清掃を行う。
  2. 07:41に回送6703Aレが渋谷駅引上22番線から目黒台へ出発(渋谷駅は引上線から直接下り方へ出発できるためホームで一旦停止する必要はない)矢積06:32発の快急6802Aレが07:43に渋谷に到着し、すぐに22番線に引上げ。
  3. 07:49に目黒台に到着した回送6703Aレは、ここで車内整備の作業員を降ろし(作業員は目黒台運転所に常駐しているため)、07:51に回送として出発。07:55に旗塚7番線へ到着。図には記していないが、この回送と進路を交換する形で07:55に旗塚8番線から目黒台普通4209Aレが出発している。渋谷では、07:56に回送6803Aレが1番線を通過。
  4. 07:59に、旗塚7番線から団体列車が出発。このころ、回送6803Aレは旗塚から目黒台線に進出しようとするが、団体列車に進路を譲るため旗塚11番線で待機。
  5. 進路が開通したら回送6803Aレは目黒台方へ出発。なお、この少し前の07:58に新八浦06:42発の快急6704Aレが渋谷に到着し、すぐに22番線へ引上げ。

 …このように、快急として上京した編成は、一旦目黒台に回送した後、改めて旗塚の地平ホームに回送してから団体列車として出発させる、という面倒なことをしている。旗塚駅の高架ホームから地平ホームへ入れ換えるルートがあればその必要は無く、狭隘な同駅の設備が運転取扱を大きく制約しているのである。

 ただし、地平ホーム設置旗塚駅改良#5.旗塚駅大改良工事を参照)前は、混雑している渋谷旗塚の下り急行線ホームに大勢の団体客を待機させ、素早く団体列車に乗せるという荒業をやって一般客・団体客の双方から忌避されていた。それに比べればこれでも大幅な改善と言えよう。

4.美咲空港→武蔵神宮→東京方面 団体列車の運転

南西急行の特殊な列車運行/美咲空港→武蔵神宮→東京 団体臨時列車の動き.gif
美咲空港→武蔵神宮→東京 団体列車の動き
 別項でも述べたように、美咲空港に到着した訪日外国人客を東京へ送る前に、庭園が有名な武蔵神宮へ寄り道するという団体列車が頻繁に運転される。この列車の動きの例を解説する。

【1】美咲空港09:28の団体列車が10:02に紅林の3番線に到着。ちなみに、紅林駅の3番線は朝ラッシュ時と深夜時間帯以外は空けられている。

【2】団体列車はエンド交換の後(ここでは座席を回転させない)、10:07に紅林を出発し10:11に武蔵神宮に到着。乗客は荷物を車内に置いたまま、神宮参拝に向かう。

【3】団体列車は11:26に武蔵神宮を出発。東城学園から神宮線下り線を通って11:32に紅林3番線に到着。すぐに急行上り線へ出発する。ちなみにこのダイヤでは大手町(皇居前)に11:58着、浅草に12:08着となる。

 紅林東城学園間は複線であるが、信号設備が上下線とも双方向に運転可能になっており、このような列車を設定することができる。本来は紅林検車区から関浜車両所へ入場する通勤用車両の回送のための設備だが…

5.青海⇔水澄相互間の団体列車の運転

南西急行の特殊な列車運行/青海→水澄の団体臨時列車の動き.gif
青海→水澄の団体列車の動き
 ここでは、青海エリアと水澄エリアをハシゴ観光する団体列車の動きを見てみよう。別項にて触れたように、この列車はお座敷仕様車が多用されるが、列車運行そのものにも特徴がある。まず、青海→水澄方向から。

【1】青海ヶ浦09:23発の団体列車が10:35に美咲駅6番線に到着。

【2】10:50に美咲駅6番線から団体列車が水澄線へ出発。水澄着は12:02。

 美咲駅6番線は、このような列車を容易に設定できるよう、通常ダイヤでは極力使用しないこととしている。ただし、それでも他の団体列車や臨時列車とかぶってしまう場合には、美咲の新宿方にあるダンパー線を折返し用に使用したりする等の対処をする。


南西急行の特殊な列車運行/水澄→青海の団体臨時列車の動き.gif
水澄→青海の団体列車の動き

 次に、水澄→青海方向。

【1】水澄10:08の団体列車が11:20に美咲駅6番線に到着。

【2】11:35に団体列車が美咲駅6番線から出発。青海連絡線を逆走し桂木町の2番線を経由して下り線に入り、青海ヶ浦到着は12:47となる。

 青海線美咲桂木町間は珍しい3線区間となっているが、そのうち1線(青海連絡線)は双方向運転が可能であり、このような列車の運転に活用されている。

6.八浦・矢積における普通列車の増結

南西急行の特殊な列車運行/矢積駅における上り普通列車への増結.gif
矢積駅における上り普通列車への増結

 青海線水澄線では、平日の夕方 および 休日の日中 に4両編成の普通列車を8両編成に増結する場面がある。そのうち、八浦駅矢積駅では、特急列車を待避するための停車時間を利用して効率的に増結作業を行っている。ここでは、平日夕方の矢積駅を例にその手順を解説したい。

【1】御幸台検車区から増結用の編成Aが出庫。御幸台を17:30に回送として出発し矢積に17:35に到着。

【2】編成Aは矢積駅3番線から引上12番線へ移動。その間に、普通2236レ(編成B)が矢積駅に接近。

【3】17:40に普通2236レが矢積駅3番線に到着。停車位置をホーム先端に合わせて乗降扱いを行う。

【4】編成Bの後方に、編成Aを増結。その作業を行っている間に、特急ひびき248号が17:42に4番線に到着後、すぐに発車。

【5】17:45に、8両編成となった普通2236レが発車。

 この動きは、八浦駅においてもほぼ同じである。空車を営業列車の後方に増結することで、連結作業による乗客のタイムロスを回避している。

7.休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結

 前述のように、青海線水澄線では、休日の夕方に、美咲駅に到着した2本の列車を連結して8両編成で出発させるという面白い運転取扱いを行っている。ここではその流れの一例を、他の列車の動きを絡めてご紹介する。


南西急行の特殊な列車運行/休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結1.gif  水澄線からの編成C普通 2452Bレが4番線に到着。2番線には17:15に青海線から到着済の編成A普通2352Bレが在線しており、そこへ後続の編成B普通 2134レが接近中。東京線から快速3085レが5番線に到着。


南西急行の特殊な列車運行/休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結2.gif  7番線に水澄線特急ひびき246号が到着し1分後に発車。8番線に到着した青海線急行5346レはその後続となる。その間に編成Bは編成Aの後部に連結後、ドアを開けて乗客を降ろす。このため普通2352Bレの桂木町美咲間の所要時間は他の列車より2分長く、特急ひびき246号への乗り換えは困難になる。


南西急行の特殊な列車運行/休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結3.gif  1番線に青海線直通急行5339レが到着、8番線から急行5346レが発車。


南西急行の特殊な列車運行/休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結4.gif  3番線に特急ひびき241号が到着し、1分後に発車。それと同時に1番線から&急行5339レが発車。


南西急行の特殊な列車運行/休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結5.gif  2番線から編成ABを併結した普通2151Bレが発車(この列車は青海ヶ浦行だが、後の4両は八浦で切り離しとなる)。5番線から快速3096レが発車。3番線には関浜車両所を出庫した回送列車が到着後、すぐに乗客を乗せて矢積行普通2449レとして発車(この列車は休日は急行用車両が充当される)


南西急行の特殊な列車運行/休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結6.gif  2番線に編成E 普通2354レが、5番線に快速3087レが到着。4番線では、編成Cの水澄線方に編成Dの普通2234レが接近。編成Dの進路が通常と異なり、より終点方のシーサスクロッシングを経由していることに注意。これは、連結作業の際に編成Dの運転士が距離感を掴みやすいよう直進させるためである。


南西急行の特殊な列車運行/休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結7.gif  7番線に水澄線からの急行5446レが到着。8番線には青海線からの特急なぎさ148号が到着し1分後に発車。その間に、4番線では編成Cの後方に編成Dを連結して普通2234レの乗客を降ろす。


南西急行の特殊な列車運行/休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結8.gif  3番線に水澄線直通急行5443レが到着。7番線から急行5446レが発車。


南西急行の特殊な列車運行/休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結9.gif  1番線に特急なぎさ143号が到着し1分後に発車。それと同時に3番線から急行5443レが発車。


南西急行の特殊な列車運行/休日夕方の美咲駅ホーム上での普通列車増結10.gif  4番線から、編成CDを併結した普通2251B 水澄行。矢積で後部4両を切り離し)が発車。1番線には関浜車両所を出庫した回送が到着し、すぐに八浦普通2357レとして発車(この列車も休日は急行用車両で運転される)。5番線から新宿快速3098レが発車。


 休日ダイヤでは、以上のサイクルをこの後5回、都合6回反復する。つまり、連結作業そのものは2・4番線で交互に15分間隔で12回行われて非常に効率的であり、要員コストが最小限に抑えられている。

 この時間帯の増結作業は、夕方の乗客増に対応するというよりは、翌日の上りの需要に備えたものと言ってよい(翌日が休日であるにしろ平日であるにしろ、南西急行は朝の上り列車の需要が非常に大きい)。また、2編成を併結することで不足する一般用車両の編成数 を 急行用車両で補う点も、南西急行の車両運用の特徴と言えよう。


 ダイヤ研究室


最近の更新
アクセス数
累計: 414343
本日: 3254
昨日: 4113
一昨日: 5826

Contents