南西急行電鉄研究会

八浦鉄道

1.路線概要

八浦鉄道/rosen-yatsuura-tetsudo.gif
八浦鉄道の路線図

 八浦鉄道は四浦半島南岸の八浦~樫川間を結ぶ延長19kmの小私鉄路線で、終点の樫川と南武鉄道の新弦崎の間は、バスが30分間隔で結んで半島一周のルートを構築している。

 全線が単線電化(直流1500V)で、途中の3駅で交換可能である。閉塞方式は電子閉塞式であり、1駅間には1個列車しか在線できない。き電用電源は、南西急行の八浦変電所から供給を受けているほか、久部~初原間にある初原変電所(東京電力㈱より受電。整流器定格出力2000kW)で確保している。架線設備はシンプルカテナリー方式で、近年可動ブラケット支持に改修が進んでいる。

 八浦駅付近は南西急行青海線と同時期に高架化されたが、他の区間は地平のまま。ただし、設備は近代化されており、PCまくらぎ化・コンクリートポール化・CTC化(センターは初原駅構内にある)のいわゆる3点セットはすでに済んでいる。なお、八浦鉄道の列車無線は南西急行青海線と共用であり、八浦の基地局に八浦鉄道用のアンテナが設置されている。

 有人駅は初原駅のみで、他の全駅は同駅から遠隔で管理するシステムになっており、自動券売機・自動精算機および自動改札機(Suica対応)が完備している。八浦鉄道ではワンマン運転(朝ラッシュ時除く)を行っているが、この充実した駅設備により車内での運賃収受をしておらず、運転士の負担が大幅に軽減されている。このように、八浦鉄道は近代設備による徹底的な省力化によって人件費を圧縮する、ローカル私鉄の将来の経営モデルを模索しているのである。

八浦鉄道/haisen-yatsuura-tetsudo.gif
八浦鉄道の配線図

2.ダイヤの概要

WebDIA時刻表

時刻表平日青海線八浦鉄道
休日青海線

 八浦鉄道のダイヤは、平日朝ラッシュ時のみ15分ヘッドで、その他の時間帯は30分ヘッドで運転される。全列車が各駅停車で、編成は2両固定。朝の増発便を除く全列車が南西急行の新八浦駅まで直通する。八浦駅では上下列車共に南西急行青海線の急行と接続しており、利便性は非常に高い。

 なお、平日朝ラッシュ時の増発列車については、八浦駅で少々面白い運転取扱いが行われている。詳細は別項を参照されたく

3.八浦鉄道の車両

4.八浦鉄道の沿革

 八浦鉄道は、四浦半島南岸の有力者が中心となって昭和11年に開業した軽便鉄道が母体になっている。周知のように四浦半島は戦前は海軍の要塞地帯だったにもかかわらず、南岸には「外洋から艦砲射撃に晒される危険性がある」として駐屯地や軍港が設けられなかったため、軍需の恩恵が及ばなかった。そこで地元財界は弦崎鉄道の延伸に期待を寄せたものの、弦崎鉄道側はまさにその社名のとおり弦崎以遠への延伸なぞ全く考えていなかった。結局、地元財界人が独自に鉄道路線を引こうとしたのが八浦鉄道なのだが、資本力の欠如から青海鉄道の助力を得ざるを得ず、青海鉄道の傍系会社として発足したのである。

 昭和18年には戦時下の陸上交通統制政策の影響で南関東鉄道に併合され、昭和20年に再び八浦鉄道に再分離された。この時点で八浦鉄道は青海鉄道の100%子会社になった。青海鉄道と会社が分けられたのは、実は八浦で運賃を打ち切り計算をするという一点に理由があった。

 昭和40年代初頭、ヨンサントオ協定締結に向けての協議の中で、県は八浦鉄道を新会社と経営統合して支線化することを求めたが、青海鉄道を含めた既存3社はそれを拒否し、別個会社とすることが最終的に決められて今日に至っている。

 だが、八浦鉄道沿線の自治体は八浦鉄道青海線の一体化の要望を捨てておらず、昭和50年代にも八浦駅高架化の設計協議の際に青海線美咲方面との直通運転が検討されたことがあるが、八浦市(すなわち高架化工事のスポンサー)の意向で実現しなかった。八浦駅の拠点機能が損なわれることを市が嫌ったと言われている。

 平成14年3月、八浦鉄道は、その八浦市の市域再開発事業によって開業した新八浦駅に乗り入れた。これはまだ妄想段階だが、新八浦からさらに西へ延伸して森津・矢積へ繋げようという計画もあり、八浦鉄道がその新線の経営の受け皿として目されている。



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