ダイヤ研究室
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1.路線別解説
2.令和3年3月13日ダイヤ改正の概要
前年の令和2年3月14日ダイヤ改正についてはリンク先の記事を参照されたい。 |
(1)コロナ禍による令和2年度中のダイヤの縮退措置について
前回の令和2年3月ダイヤ改正は、この年の夏に行われるはずであった"例の巨大スポーツイベント"に備えたイケイケの内容であったが、休校要請の最中に実施され、1回目の緊急事態宣言を受けて4月中旬からダイヤの縮退を行ったため、実際のところ改正ダイヤがまともに実施されたのはたかだか1ヶ月間のことに過ぎない。
A ダイヤの縮退の主な内容
令和2年度中に実施した縮退ダイヤの主な項目は以下のとおり。
☆は令和2年4月21日以降、令和3年3月まで継続されている。★は令和2年6月の緊急事態宣言(1回目)解除に伴い旧に復している。なお、大晦日の終夜運転も中止している。
青海線・水澄線のダイヤ縮退は大規模なもので、即座に実施できたのが不思議なほどだが…実は平成23年の東日本大震災後のいわゆる節電ダイヤ時にも実施されたことがあり、その際のダイヤパターンを適用したため短期間で準備ができたものらしい。
B 車両運用の変更
コロナ禍による需要減を受けたダイヤ縮退により、車両運用についても大きな変更があった。
B-1 青海線・水澄線普通列車の全列車8両化
日中の特急の区間特急化(南西急行では公式にはこのような表現とはしていないが、当研究会では便宜上このように表現する)、急行の区急化により可能となった。三密の回避が叫ばれている中で、列車の減便よりも、現実に運転している列車を途中で減車する方が、心理的に「三密を助長する」と受け取られる懸念がある…という政治的判断による。
B-2 臨時用車両の処遇
ダイヤ縮退によって問題になったのが、例の巨大スポーツイベントによる大需要を見込んで揃えていた6400系・7600系の取り扱いであった。特急ひよどりは全列車運休となり、団体列車・増発列車の運転なぞ論外の外の靴の裏という状況であり、さりとて車両基地で留置したままにしておくと機械の通例として「使わないと壊れてしまう」ことになる。
そこで南西急行では半ばヤケクソの措置として、平日朝の渋谷直通の快急にこれらの臨時用車両を投入した(帰宅時間帯にはその返し運用としての区急にも充当)。また、目黒台線の普通列車には3編成が必要だが、この運用にも臨時用車両が充当された(短区間のシャトル運転のため集団離反式にシートを固定した状態であった)。
通勤需要が大幅に減じた状況であったからできたことであったが、そういう状況の中でも通勤せざるを得ない通勤客には好評を博した。これらの措置は1回目の緊急事態宣言解除と共に一旦終了したが、その後も不定期的に実施されている。
(2)令和3年3月ダイヤ改正の内容
令和3年3月13日に実施されたダイヤ改正では、前述の☆印の項目を基本ダイヤ化し、さらに、深夜時間帯の需要減への対応と夜間の保守間合拡大を企図して終電の30分前倒しを実施している。
A 青海線・水澄線のダイヤ見直し
A-1 日中運転の特急の一部区間普通列車化と急行の区急化
このことについては南西急行から「一時的なものに非ず」というアナウンスがなされており、沿線の自治体を愕然とさせた。ただし、両線末端区間の日中時間帯は特急30分ヘッド、普通30分ヘッドの運転本数が輸送力過剰であるとかなり前から指摘されており、南西急行としてはその状態をコロナ禍に乗じて是正した、というのが正しい表現であろう。また、この措置を、例の巨大スポーツイベントに関する方針が不確定の状態で確定的に実施しているということは…南西急行は今後の両線の輸送需要を楽観視していないことを示している。
これにより、この時間帯の特急(部内的には区間特急と呼んでいるらしい)は、八浦~青海ヶ浦間、矢積~水澄間の所要時間が40分から60分に延びて速達性は毀損した。しかし、この区間の特急料金を徴収しないことで実質的な値下げともなっているのである。
なお、いわゆる区間特急は、普通列車区間においては1~3号車が特急券無しで乗車できる車両と指定されており、1~3号車は八浦・矢積以北の区間のみ特急券を発売する。4~8号車は八浦・矢積を跨がった区間の特急券を発売するが、発売額は八浦以南・矢積以西を除外した距離に応じたものとなる。
A-2 平日夜間上り特急の一部区間普通列車化を休日にも拡大
従来のダイヤでは、青海線・水澄線とも平日夜間のラスト各3本の特急をそれぞれ八浦・矢積まで普通列車としていたが、今回の改正では、これを各4本に拡大したうえで休日にも適用することになった。これにより、平日・休日の特急のダイヤが統一される。
A-3 水澄線シャトル列車の運休
水澄東口駅に併設された巨大駐車場施設「パークターミナル」用のアクセス列車として30分ヘッドで運転されていた水澄東口⇔水澄間のシャトル快速列車は、令和2年4月の1回目の緊急事態宣言後に運休となっているが、今回のダイヤ改正で定期スジからは削除された。ただし、この列車は水澄東口駅改良工事の費用に地元や県の負担金が投入されている経緯から完全廃止はできず、将来の需要の回復を見て復活運転するとしている。
B 青海線・水澄線普通列車の全8両化(後に6両化)
令和2(2020)年4月の緊急事態宣言後のダイヤ見直しで、日中の特急の区間特急化、急行の区急化を行った結果、青海線・水澄線の日中の普通列車を4両に減車する必要性が無くなったため、分割・併合に要する要員の削減を狙い、今回の改正以降、一般用車両の4両編成、すなわち2600系を8両固定編成として運用することとなった。
さらに、令和4(2022)年10月には一般用車両6両化のプロジェクトが完了し、両線の普通・準急・快急が6両編成化されている(一部急行用車両を充当する列車は除外)。
C 終電の繰り上げ
C-1 東京線
東京線(急行線)については、従来のダイヤでは新宿発23時台から下り列車が区快となる「深夜パターン」に移行し、0:30過ぎに終電を迎えるという様相であったが、今回のダイヤでは深夜パターンの時間帯がまるまる30分間縮まって0:00過ぎに終電になる。
上り列車も、それに合わせて深夜パターンとなる時間帯が30分間短くなる形で終電繰り上げが行われている。
C-2 NEWS-Line
東京線の緩行線 すなわちNEWS-Lineでも、いわゆる深夜パターンとなる時間帯を30分短くする形で終電繰り上げを実施した。
NEWS-Lineはもともとのダイヤでも帰宅ラッシュ対応パターンとなっている時間帯が長く(旗塚発車場面で17~22時台)、輸送力が過剰と指摘されており、今回の改正で運転本数を調整するのではないかと言われていた。しかし、終電繰り上げにより輸送需要が前の時間帯にシフトすることを考慮して、帰宅ラッシュ時のダイヤは現状維持とされている。
C-3 青海線・水澄線
青海線・水澄線の下り列車は、美咲口においては前回の令和2年3月ダイヤ改正で終電繰り上げが実施されているため、今回の改正ではさらなる繰り上げはなされていない。ただし、東京線の終電繰り上げの影響は微妙に受けていて、東京線からの直通急行の区急化がラスト各1本から各2本に拡大されて急行各1本分輸送力が落ちている。八浦・矢積場面では、それぞれ従来の下り鶴神温泉行・戸張行最終列車を廃止する形で終電が繰り上げられている。
上り列車については…逆に、青海線では青海ヶ浦発の従来の最終1本前の普通が鶴神温泉行から八浦行に延長され、水澄線でも水澄発23:40戸張行普通が増発されている。これらは車両運用の辻褄合わせのためで、いずれも下り列車がまだ運転を終了していない時間帯に走行する便であり、保守作業間合を痛めてはいない。
D 特急ひよどりのダイヤ見直し
美咲空港アクセス向けの短距離特急ひよどりは、
- 平成25年7月ダイヤ改正:臨時特急ウィングライナーとして新規設定 早朝に北千住→美咲2本のみ
- 平成27年7月ダイヤ改正:愛称を「ひよどり」に改め、早朝に新宿発と北千住発の列車を旗塚で連結する形で美咲行2本を定期で設定
- 平成28年12月ダイヤ改正:需要増大により早朝に新宿→美咲2本と北千住→美咲2本、深夜に逆方法の列車を同数で定期設定。さらに多客期向け増発列車を早朝に下り3本設定。
- 平成30年7月ダイヤ改正:早朝の定期列車の前に新宿→美咲と北千住→美咲各1本を定期化し増発。深夜の逆方向も、定期列車の後に同数を定期列車として増発。
…とハイペースで増強されてきたが、コロナ禍で航空需要が急減したため、令和2年4月の緊急事態宣言後に全列車が運休する事態となった。
今回のダイヤ改正では、列車の設定としては平成28年12月ダイヤ改正の定期列車4往復のみを残している。平成30年7月ダイヤ改正で増発した1往復は、早朝の下り列車は北千住04:50発で一般列車の初電よりも早く、深夜の上り列車も北千住01:05着と新東京メトロ谷町線の保守間合を縮めてまで設定したものであり、コロナ禍の状況下では不適切なものとしてスジそのものを消滅させている。NEWS-Line3社は、今後状況が改善しても、よほどの大需要が発生しない限りは再設定しないと方針を定めているようである。残る4往復は、令和3(2021)年10月14日から運転が復活している。
3.列車種別と停車駅

令和2年3月14日ダイヤ改正で列車種別は2つ増え、各停・普通・準快・準急・通勤準急・通勤快速・快速・区快・急行・区急・快急・特急の12種類になった。平成20年6月ダイヤ改正で10種類に整理したのが元に戻ってしまったことになる。
![]() | 南西急行では各停と普通を明確に区分しており、東京線の緩行線内で各駅に停車する列車を各停と呼称している。新東京メトロ・新東武車を含めた通勤用車両8両編成を使用。4号車にグリーン車を連結している。 |
![]() | 青海線・水澄線の各駅停車列車は普通と呼称している。一般用車両の6両編成で運転。急行用車両・特急用車両も間合運用で一部充当される。目黒台線の列車も普通を名乗っているが、こちらは急行用車両8両で運転。 |
![]() | 緩行線列車の中で新東京メトロ谷町線内でも通過運転する列車であり、平成20年6月ダイヤ改正で新東武鉄道の列車種別名称が再編成されたに伴い、区間準急から改称された。通勤用車両8両で運転。谷町線・新東武線を通じて列車種別が変わらないようにダイヤが組まれている。 |
![]() | 東京線(緩行線)準急と、青海線・水澄線準急の2種類がある。列車の性格は全く異なるが、走行区間が重ならないので同じ名称が与えられている。前者は通勤用車両8両編成でほぼ終日運転されるのに対し、後者は一般用車両6両編成で朝夕のみの運転である。 |
![]() | 令和2年3月14日ダイヤ改正で再登場(かつて三泉通過の準急がこの列車種別を名乗っていた。平成9年3月ダイヤ改正で廃止)。緩行線の平日朝ラッシュ時の上り方向にのみ運転され、通勤快速と共に停車駅分担型の千鳥式ダイヤを構成する。 |
![]() | 令和2年3月14日ダイヤ改正で再登場(かつて東京線(急行線)が朝ラッシュ時のみ千鳥式運転をしていた時期に快速の停車駅削減型列車がこの列車種別を名乗っていた。平成20年6月ダイヤ改正で廃止)。緩行線の平日朝ラッシュ時の上り方向にのみ運転され、通勤準急と共に停車駅分担型の千鳥式ダイヤを構成する。 |
![]() | 新宿~美咲間の系統を中心に運転される。平成20年6月ダイヤ改正から新長坂・安本の2駅を通過して急行・区急と停車駅を分担するダイヤに変更され、朝ラッシュ時を除いて上位列車の待避が無くなり、速達性が大きく改善された。急行用車両8両を使用。また、平成24年7月ダイヤ改正から、水澄東口~水澄間に快速の列車名称でシャトル列車が運転されるようになったが、こちらは一般用車両6両を使用(コロナ禍の影響により運休中)。 |
![]() | 平成20年6月ダイヤ改正から登場。略称は区快で、いわゆる湾岸区間を各駅に停車する。早朝・深夜時間帯と休日朝(上り2本のみ)に運転される。急行用車両8両で運転。 |
![]() | 南西急行の主力列車。新宿~新八浦間、新宿~御幸台間の系統が中心。従来から混雑が激しく、平成20年6月ダイヤ改正で新たに新長坂・安本に停車し、快速と停車駅を分担させて混雑を緩和させるダイヤに変更された。急行用車両8両で運転。 |
![]() | 略称は区急。東京線内は急行運転し、青海線・水澄線内は各駅に停車する。朝夕に急行の補完列車として運転される。急行用車両8両が使用される。 |
![]() | 平成20年6月ダイヤ改正で旧快速急行と旧通勤特急を統合して誕生。定期便では平日朝の上り列車しか存在しない。旧快速急行(青海ヶ浦→美咲2本、水澄→美咲2本)は一般用車両6両、旧通勤特急(新八浦→渋谷3本、矢積→渋谷3本)は急行用車両8両を使用。 |
![]() | 美咲空港アクセス輸送用の多客期臨時特急「ウィングライナー」を平成27年7月ダイヤ改正で定期化した際に改称して誕生した。新東京メトロ谷町線北千住発着の便と新宿発着の便がある。21~24号が特急用車両である以外は臨時用車両を使用。 |
![]() | 青海線系統の特急列車。特急用車両を使用しほぼ終日にわたり30分ヘッドで運転。令和3年3月ダイヤ改正で日中に八浦以遠が普通列車となる列車が出現した。 |
![]() | 水澄線系統の特急列車。特急用車両を使用しほぼ終日にわたり30分ヘッドで運転。令和3年3月ダイヤ改正で日中に矢積以遠が普通列車となる列車が出現した。 |
4.車両運用
別項「車両運用」を参照されたい。
5.列車番号体系
南西急行の列車番号体系は下表のようになっている。
0000台 | 緩行線 各停:新東武線~神津 |
0100台 | 緩行線 各停:北千住~神津 |
0200台 | 緩行線 各停:新東武線~神宮線 |
0300台 | 緩行線 各停:北千住~神宮線 |
0500台 | 緩行線 各停:神宮線内運転 |
0600台 | 緩行線 各停:新東武線直通列車の特殊区間運転 |
0700台 | 緩行線 各停:メトロ・南西急行線内の特殊区間運転 |
1000台 | 緩行線 準急:新東武線直通 |
1200台 | 緩行線 準急:メトロ・南西急行線内運転 |
1300台 | 緩行線 通勤快速 |
1400台 | 緩行線 通勤準急 |
1500台 | 緩行線 準快:伊勢崎線系 |
1600台 | 緩行線 準快:日光線系 |
2000台 | 八浦鉄道(新八浦まで直通しない列車も連番) |
2100台 | 青海線 普通:八浦以遠の系統 |
2200台 | 水澄線 普通:矢積以遠の系統 |
2300台 | 青海線 普通:八浦・新八浦系統 |
2400台 | 水澄線 普通:御幸台・矢積系統 |
3000台 | 東京線 快速 |
3200台 | 東京線 快速(区間運転) |
3500台 | 青海線直通 快速 |
3600台 | 水澄線直通 快速 |
3800台 | 水澄線シャトル列車 |
4000台 | 目黒台線(新宿~目黒台間) |
4200台 | 目黒台線(旗塚~目黒台間) |
4500台 | 東京線 区間快速 |
5000台 | 東京線 区間急行 |
5300台 | 青海線 急行 |
5400台 | 水澄線 急行 |
5500台 | 青海線 区間急行 臨Aスジ使用 |
5600台 | 水澄線 区間急行 臨Aスジ使用 |
6100台 | 青海線 準急 |
6200台 | 水澄線 準急 |
6300台 | 青海線 区間急行 急行スジ使用 |
6400台 | 水澄線 区間急行 急行スジ使用 |
6500台 | 青海線 快速急行(青海ヶ浦→美咲) |
6600台 | 水澄線 快速急行(水澄→美咲) |
6700台 | 青海線 快速急行(新八浦→渋谷) |
6800台 | 水澄線 快速急行(矢積→渋谷) |
7000台 | 東京線 特急ひよどり/臨時特急 |
7100台 | 青海線 特急なぎさ 50番台以降は八浦以遠普通列車 |
7200台 | 水澄線 特急ひびき 50番台以降は矢積以遠普通列車 |
8000台 | 団体・臨時列車 |
特記事項
- 令和3年3月ダイヤ改正以前は、平日・休日共に同じスジとなる列車に同じ列車番号を付与し、平日ダイヤのみ運転する列車にA、休日ダイヤのみ運転する列車にB…といったサフィックスを付けるルールとしていたが、非常に煩雑である割にメリットが少ないため廃止した。改正以後は、平日ダイヤ・休日ダイヤでそれぞれ列車番号を連番で振るようになり、サフィックスは無くなっている。
- NEWS-Line関連のルール
6.ダイヤの変遷
7.ダイヤの話題
8.妄想の解説
(1)列車本数の設定
「南西急行電鉄」では、妄想を始めたごく初期の段階から、全線を30分ヘッドダイヤとすることを決めていました。普通列車の本数で見れば、青海線・水澄線の末端部分で30分ヘッド、美咲市の近郊で15分ヘッド。湾岸新線区間はモデル線区であるJR東日本京葉線に倣って15分ヘッド、複々線区間で7.5分ヘッドということで、これはサイト開設後でも変わっていません。
特急が青海線・水澄線内で30分ヘッドというのは、正直なところ輸送力過剰かと考えていますが、ダイヤの骨格を妄想していたころは近鉄志摩線で特急が20分ヘッドで運転されていましたし、小田急の箱根系統の特急も30分ヘッド、東武日光線の特急もオンシーズンには30分ヘッド運転なので「青海半島も水澄もそれなりの需要がある大観光地なのだ!」と思い込むことにしました。そのかわり、8両編成でも(空港アクセス用の荷物スペースの関係で)6両分の定員しか無い、という車両設定をこしらえて自分自身を納得させています。しかし、それも社会情勢が変わってくると、妄想そのものが苦しくなってしまい、令和3年3月ダイヤ改正では特急の一部区間普通列車化を行いました。
急行・快速・準急については、それぞれ15分ヘッドと特急と同数とし、ダイヤを単純化させました。そのおかげで急行は混雑が常態化しているわけですけど、このあたりは「欠点の無い鉄道会社は無い!」と割り切って、臨時増発でしのいでいることにしています。
また、ラッシュ時の運転本数は緩行線も急行線も1時間に24本=2分30秒ヘッドとしました。その理由は…妄想当初はダイヤを方眼紙で描いていたからです(1cm=5分としていました)。前述の駅間距離も、実は方眼紙の目に合わせて設定したものなのです。
しかし、WinDIAは1分単位でしか時刻を扱えない…。これが、筆者の脳内のダイヤと公開しているダイヤの微妙な差の原因になっていました。そこで、平成20年6月ダイヤ改正に際しては、Microsoft Visio上で1分目のダイヤ用紙を作成して、全てのダイヤを書き換えました。これはとんでもなく大変な作業でしたが、ダイヤグラム描画ソフトとVisio上のダイヤが完全一致するようになったので個人的には満足です。
(2)列車種別と停車駅
「南西急行電鉄」は基本的には大都市から郊外へ伸びる路線形態であり、優等列車は都心から離れると各停になる区間ができます。ただ、この「各停区間」があまりにも長いと萌えられなくなる(西武や京阪の準急がそうですね)ので、第一の基本方針として優等列車の各停区間が(駅数として)運転区間の半分ぐらいになるようにしています。
また、優等列車の通過駅は2駅以上連続するようにしました。東急東横線急行の悪名高い1駅飛ばし(いわゆる「隔駅停車」)のような停車駅配置は、とても萌えられるものではありませんから…。かつての京成の急行もかなり酷いものでした。
ところで、列車種別については、もともとの妄想ではもっとスッキリしたダイヤを考えていました。しかし、ラッシュ時のダイヤを組んでいくと、どうもマズいことが起こるのですね。どこの線区でも見られる「優等列車への乗客集中」という現象が。例えば、妄想当初は、朝ラッシュ時は7分30秒間に特急または通勤特急1、急行1、快速1本とするダイヤであったものの、このダイヤでは快速は上位列車を3回も退避する「誰も乗らねー」列車になってしまうのです。
これを回避するには、快速と急行で停車駅を分担するいわゆる「千鳥式ダイヤ」にせざるを得ないわけでして…こうして通快・通急が出現しました。こうなれば「西武でもやっているじゃないか!」と開き直るしかなく、いよいよ素人利用者を見放したマニア向けダイヤに化けていくわけです。
平成20年6月ダイヤ改正では、快速のノロさにいいかげん頭に来て、通快・通急を廃止し、ラッシュ時の考え方を日中にも導入しました。
(3)列車種別の名称
列車種別が増えると、種別名称のつけ方にも苦労します。最も悩んだのが、特別料金を徴収する特急と、徴収しない通特の関係でした。結果的に停車駅が特急に似通ってしまうことから通特にしたのですが、やはりどうにもすっきりせず、平成20年6月ダイヤ改正で快急に統一してしまいました。
通快・通急については、前述したとおり、日中にも千鳥式ダイヤを導入したことで廃止しています。
緩行線の列車種別の件では、地下鉄谷町線内を通過運転する列車の種別をなんとか区間準急から変えられないか、という点が長年の悩みでしたが、今回の改正でようやく準快という新種別を設定して整理しました。また、現実世界の東武鉄道に遅れること2年余りで、新東武鉄道の列車種別も再編成できました。
(4)緩急結合の考え方
東京線(緩行線)
緩行線のダイヤは…実は新東京メトロ東西線の東側区間を模倣しています。ただし、複々線区間ですので漸減ダイヤにアレンジしており、東西線の欠点とされている「浦安での緩急結合ができない」という点を、三泉駅では可能として改善しています。準急の通過運転区間が短いなかで3つも待避駅があるのは、東西線という実例があるからできる設定です。
このハードウェアはさすがに過剰なので、令和2年3月ダイヤ改正で朝ラッシュ時に停車駅分担型の千鳥式運転を導入したことで見直し、池尻・東仙寺の待避設備は廃止することにしました。
東京線(急行線)
以前、この項にはこのように書いていました。
急行線の湾岸新線区間の路線設定はJR京葉線がモデルなのですが、ダイヤ面では京葉線の欠点を解消するようにしています。下り線と上り線でパターンを変えることで、急行への乗客集中を防ぐ工夫をしているのもその一つです。京葉線は、学校の休み期間中の夕方には某巨大テーマパークからの帰り客で混雑しますから、同じ問題を抱えることになる南西急行では、なんとしてもこの点を改善したいところでした。臨時列車を臨機に走らせられる、という設定もそれを目的としています。ただ、急行と快速の所要時間に差がありすぎるのは現在でも問題視しておりまして、いっそのこと通勤急行と通勤快速を終日運転の標準列車にしてしまおうかとも考えています。これをヤルと、都市間輸送でライバル2社に対する競争力が落ちてしまうのがやっかいなのですが、車両の回転は確実に改善されるので、悩ましいところです。 |
で、平成20年6月ダイヤ改正で、これを実行に移しました。実際、ダイヤを引いてみると、結構イイ感じです。急行と快速の運転間隔が不均等になって、特に上りの急行が混雑するのは相変わらずですが、平成21年10月ダイヤ改正でこの点を少しでも補正するようにしています。
青海線・水澄線
この両線は、路線構造をほとんど同じにして、ダイヤを妄想するエネルギーを軽減しています。
緩急結合のパターンについては、急行と長距離系統の普通はあえて接続させませんでした。特急の利用促進と普通の退避回数削減のためです。特急を増やしすぎると、こういう工夫をしなければ、いくら妄想鉄道でも現実感が薄れてしまいますからね…。
平成21年10月ダイヤ改正では、特急と急行を合わせて15分ヘッドの運転に変更し、名取・静町で普通が上位列車を待避するのは朝ラッシュ時の上りのみとしました。これも、待避時間を削減して全体的なスピードアップを図るためです。これにより、区間運転の普通が混雑するようになるため、普通の運用も4両主体から8両主体に根本的に見直しています。表面に見える限りでは大して変わっていないように見えるでしょうが、実は筆者の手持ち資料の中では大変革が起きているのです…。
なお、このダイヤ改正により、急行の大半が途中駅で先行列車を追い抜かないことになりました。特急も、先行列車を待避させて追い抜くのが海浜公園・八浦または矢積のみとなり、令和3年3月ダイヤ改正で登場したいわゆる区間特急ではそれすらありません。乗っていて全く爽快感が無い…