ダイヤ研究室
東京線(急行線)・目黒台線 | 平日 | 休日 |
東京線(緩行線)・神宮線・東京メトロ谷町線 | 平日 | 休日 |
青海線 | 平日 | 休日 |
水澄線 | 平日 | 休日 |
1.路線別解説
2.令和2年3月14日ダイヤ改正の概要
南西急行電鉄は令和2(2020)年3月14日土曜日にダイヤ改正を実施した。今改正では、東京線(緩行線)の平日朝ラッシュ時のダイヤパターン変更が最大の目玉となっている。
(1)東京線(急行線)
A 【平日】・【休日】渋谷発7時台に下り区間急行2本を増発
東京メトロ谷町線北千住始発の不定期特急ひよどり71・73・75・77号の4本のうち、75・77号として運転していたスジを渋谷発→美咲行の区急に変更(詳細はこちら)。この2本は、6~7時台の新宿~目黒台間の普通を旗塚~目黒台間のピストン運転にサービスダウンしたことで捻出した編成を充当したものである。当然ながら目黒台線の利用客から不評を買っているが、現実に混雑の激しい東京線快速・急行の救済を優先した形になる。なお、71・73号は引き続き多客時に運転され、原則として6400系Bayside Express仕様車が充当される。
また、湾岸区間から美咲への通勤需要に対応するため、区急4本を新成原行から桂木町行・館川町行に延長(詳細はこちら)。平成25年12月ダイヤ改正で短縮された列車を少々形を変えて復活させたことになる。
B 【平日】・【休日】夕方時間帯の輸送力増強
C 【平日】・【休日】KDRからの帰り客対応の強化
D 【休日】朝時間帯に上り区間快速を2本増発
東京線は、休日の上り方向でも狩野・日ノ出町付近の工業・物流地区へ向かう通勤需要があり、両駅に停車する快速が15分ヘッドでは輸送力が足りていないという指摘がかねてからあった。そこで、今改正では通勤客のピークとなる7時台に新成原→渋谷間で2本の区快を新規設定した。早朝・深夜帯以外で区快を運転するのは初めてのことである。
この列車が快速ではなく区快となったのは、安本・新長坂から日ノ出町・狩野へ向かう通勤客の利便を考慮したもので、湾岸地区内の相互の移動需要が大きくなっていることの証左と言える。
E 【平日】・【休日】夕方時間帯の上り特急を新成原・海浜公園に追加停車
下りに比べ乗車率が若干低い特急の利用促進策として、今回のダイヤ改正では、長年にわたり営業サイドが要求し輸送サイドが拒否していた(停車駅を増やすとダイヤ乱れに帯するロバスト性が低下し、乗務員のワークロードが増大する)上り特急の新成原・海浜公園への追加停車がついに実施された。同じ列車を両駅に停車させるのではなく、新成原停車が16~18時台、海浜公園停車が19時台以降と、駅と時間帯による需要の違いに対応して設定している。
F 【平日】・【休日】早朝・深夜の特急ひよどり51~54号を定期化
休日早朝の上京列車として運転されてきた臨時特急ひよどり52・54号と、その前日の送り込み列車である深夜帯下りの同51・53号を定期列車化。これは需要増への対応というより、目黒台運転所への夜間留置を減らすための回送列車を営業運転としたものである。
(2)青海線・水澄線
A 【休日】一般用8両編成の運用を青海線・水澄線で完全分離
従来、休日午前中に青海線・水澄線で運転される上り準急は、美咲において「青海線から到着→水澄線へ出発」あるいはその逆で折り返していた。これは美咲のホーム使用スケジュールを最適化するためだが、青海線内で輸送障害が発生すれば即座に水澄線に影響が及ぶ(逆もまた然り)というハイリスクな運用であり、桂木町または館川町に特発用の編成を用意しておくなどの対策が必要であった。
今回のダイヤ改正では、休日朝時間帯に青海線・水澄線から東京線に直通する区急の列車配置を入れ替え、美咲駅青海線・水澄線ホームの使用スケジュールを全面的に見直してこの問題を解消した。
ただし、これにより八浦駅・矢積駅場面では朝方上りの急行と区急の発車時刻が近接し、先行する急行の混雑が激化するという副作用があり、さらに東京直通列車の時刻が15分ズレたため青海・水澄線双方の沿線利用者の生活パターンへの影響も大きいものがあった。加えて、青海線鶴神温泉→美咲間普通1本が八浦にて、水澄線戸張→美咲間普通1本が矢積にて分断され、利便性が低下している。ダイヤ乱れのリスクを回避するためには致し方なしというべきか。
B 【平日】【休日】深夜時間帯のダイヤ見直し
東京線→青海線・水澄線直通急行の最終便を区急へ種別変更し、青海線美咲→八浦間普通1本、水澄線美咲→御幸台間普通1本を削減。さらに、青海線青海ヶ浦→美咲間普通を八浦行に、水澄線水澄→美咲間普通を矢積行にそれぞれ短縮して両線の終電を繰り上げた。これは当然ながら保守間合を拡大させるためで、働き方改革の波が鉄道のメンテナンス分野にも及んでいる。
C 【平日】【休日】特急ひよどりと青海線・水澄線との接続改善
- 上り
- 早朝の特急ひよどり54号は、桂木町始発として青海線の上り普通列車からの同ホーム乗換を可能とし、さらに美咲で水澄線ホームに着発して水澄線の上り普通列車からの同ホーム乗換ができるようになっている。今改正ではこれと同様の取り扱いを深夜時間帯の上りの特急ひよどり6本についても実施し、「なぎさ」「ひびき」の運転が終了した後の利便性を向上させた。
- 下り
- 今改正から、早朝のひよどり6本を美咲の青海線ホームまたは水澄線ホームに到着させて、普通列車への同ホーム乗換ができるように改善した。ただし、桂木町も館川町も残念ながら下り方向では同ホーム乗換ができないので、上りのように青海線・水澄線両方の普通列車に同ホームで接続することはできず、下りひよどりは美咲行のままとなっている。
D 【平日】普通・快速急行の美咲空港延長運転
- 上り
- 6時台に美咲駅に到着する普通2本(青海線1・水澄線1)を美咲から美咲空港折り返しに変更して延長運転。これは美咲の青海線・水澄線ホームを空けて、前述の下り特急ひよどりと普通列車との接続を可能にするための措置である。また、8時台の普通4本(青海線2・水澄線2)・快急4本(同)を美咲空港へ延長。こちらは美咲到着後に関浜車両所へ回送していた列車を営業運転したもので、美咲空港に終着列車の降車確認(列車から乗客が全て降車したことを確認すること)を行う要員を配置したことで実現した。これは単なるサービスアップではなく、美咲での乗換客を極力減らし混雑を緩和させたいという、少々差し迫った事情がある。
- 下り
- 関浜車両所から回送し美咲から営業運転に入る普通4本(八浦行2・矢積行2)と準急4本(青海ヶ浦行2・水澄行2)を美咲空港始発とした。こちらは純粋にサービスアップを目的としたものだが、始発列車を奪われる美咲からの乗客からは不評を買うことになった。
(3)NEWS-Line
A 平日朝ラッシュ時北行(上り)に千鳥式ダイヤを導入
従来は旗塚到着場面で7分30秒間に準急1・各停2本を運転していたが、準急は東仙寺・三泉・池尻の3駅で先行する各停を追い抜くため乗客が集中し、各停は列車により1~2回の準急待避があるので所要時間が伸びるという課題があった。
そこで今改正では、新たな列車種別として通勤準急・通勤快速を追加し、急行線の湾岸区間と同様に、列車別に停車駅を分担して全体的なスピードアップを図る「千鳥式運転」を導入した。停車駅は通勤準急が神津・藤田・乾・槙坂・有川・紅林・三泉・岩崎・新杉原・池尻・旗塚、通勤快速が神津・新神津・藤田・末木・乾・紅林・東仙寺・姫川・香堂・三泉・旗塚の各駅。それぞれを紅林以北において5分ヘッドで運転し、列車順序が変わらないようにしてダイヤ乱れに対するロバスト性を大幅に向上させている。
所要時間は、紅林~旗塚間で準急=12~13分、普通=22~25分(準急・普通トータルでの平均は19分50秒)に対して通勤準急=17分・通勤快速=18分で平均は17分30秒となり2分20秒短縮されている。
この新ダイヤで注目されるのは、緩行線紅林以遠に初めて通過列車が設定されたことであろう。新神津・末木・槙坂・有川の4駅は朝ラッシュ時であっても利用できる列車が8本/時となり、日中と変わらなくなった(従来は準急・各停各8本であったから半減!)。また、東仙寺・姫川・香堂・岩崎・新杉原・池尻の各駅も従来はラッシュ時に16本/時の各停が利用できたのが12本/時に減った。
このダイヤの主眼は、東急荻塚線に吸い込まれた緩行線の乗客を奪い返すために速達性を向上させる点にある。特に東急との接続駅である香堂については、旗塚までの所要時間が各停で15~16分であったものが通勤快速で11分となり、画期的な短縮と言える。
しかし、沿線自治体は新ダイヤ発表直後に大騒ぎになった。所要時間短縮のメリットよりも、停車本数が大幅減となる駅があるデメリットが過大に受け取られたのである。また、(朝ラッシュ時という限定した時間帯ではあるが)各停が無くなり乗車駅・降車駅の組み合わせによっては乗換が必須となったことについても、「不案内な老人に不親切」というわけのわからない論調でマスゴミが批判のキャンペーンを張った。改正内容があまりにも大きく、ダイヤという一般公衆には少々理解が困難なものをサービスアップしても報われないという泣ける実例ではある。
B 平日朝ラッシュ時南行(下り)のダイヤ見直し
朝ラッシュ時の南行の「返しダイヤ」は、ガラガラの列車を紅林検車区や藤田電留線に収容しつつ日中のダイヤパターンに移行していく漸減ダイヤ(都心から離れるほど列車本数が減っていくダイヤ)となり、上り方向のような千鳥式運転は適さない。
そのため、今改正では下り線に本線準急1本・神宮線直通各停1本をそれぞれ5分ヘッドで運転するようにした(従来は7分30秒に準急1・各停2)。各停の池尻・東仙寺での準急待避を取りやめたことで旗塚→紅林間の準急の所要時間は12~13分から16分に伸びている。一方、各停の所要時間は22~25分から22分に短縮された。
なお、返しダイヤ時間帯の下り準急の3本に1本は藤田行となる。従来は藤田電留線に収容する列車は紅林以遠を回送としていたが、今改正で初めて藤田が行先として登場した。
C その他事項
3.列車種別と停車駅

令和2年3月14日ダイヤ改正で列車種別は2つ増え、各停・普通・準快・準急・通勤準急・通勤快速・快速・区快・急行・区急・快急・特急の12種類になった。平成20年6月ダイヤ改正で10種類に整理したのが元に戻ってしまったことになる。
![]() | 南西急行では各停と普通を明確に区分しており、東京線の緩行線内で各駅に停車する列車を各停と呼称している。東京メトロ・新東武車を含めた通勤用車両8両編成を使用。4号車にグリーン車を連結している。 |
![]() | 青海線・水澄線の各駅停車列車は普通と呼称している。データイムは一般用車両の4両編成、ラッシュタイムは8両編成で運転。8両編成には急行用車両・特急用車両も間合運用で一部充当される。目黒台線の列車も普通を名乗っているが、こちらは急行用車両8両で運転。 |
![]() | 緩行線列車の中で東京メトロ谷町線内でも通過運転する列車であり、平成20年6月ダイヤ改正で新東武鉄道の列車種別名称が再編成されたに伴い、区間準急から改称された。通勤用車両8両で運転。谷町線・新東武線を通じて列車種別が変わらないようにダイヤが組まれている。 |
![]() | 東京線(緩行線)準急と、青海線・水澄線準急の2種類がある。列車の性格は全く異なるが、走行区間が重ならないので同じ名称が与えられている。前者は通勤用車両8両編成でほぼ終日運転されるのに対し、後者は一般用車両8両編成で朝夕のみの運転である。 |
![]() | 令和2年3月14日ダイヤ改正で再登場(かつて三泉通過の準急がこの列車種別を名乗っていた。平成9年3月ダイヤ改正で廃止)。緩行線の平日朝ラッシュ時の上り方向にのみ運転され、通勤快速と共に停車駅分担型の千鳥式ダイヤを構成する。 |
![]() | 令和2年3月14日ダイヤ改正で再登場(かつて東京線(急行線)が朝ラッシュ時のみ千鳥式運転をしていた時期に快速の停車駅削減型列車がこの列車種別を名乗っていた。平成20年6月ダイヤ改正で廃止)。緩行線の平日朝ラッシュ時の上り方向にのみ運転され、通勤準急と共に停車駅分担型の千鳥式ダイヤを構成する。 |
![]() | 新宿~美咲間の系統を中心に運転される。平成20年6月ダイヤ改正から新長坂・安本の2駅を通過して急行・区急と停車駅を分担するダイヤに変更され、朝ラッシュ時を除いて上位列車の待避が無くなり、速達性が大きく改善された。急行用車両8両を基本に、不定で一般用車両8両も充当される。また、平成24年7月ダイヤ改正から、水澄東口~水澄間に快速の列車名称でシャトル列車が運転されるようになったが、こちらは一般用車両を使用。 |
![]() | 平成20年6月ダイヤ改正から登場。略称は区快で、いわゆる湾岸区間を各駅に停車する。早朝・深夜時間帯と休日朝(上り2本のみ)に運転される。急行用車両8両を使用。 |
![]() | 南西急行の主力列車。新宿~新八浦間、新宿~御幸台間の系統が中心。従来から混雑が激しく、平成20年6月ダイヤ改正で新たに新長坂・安本に停車し、快速と停車駅を分担させて混雑を緩和させるダイヤに変更された。急行用車両8両を基本に、不定で一般用車両8両も充当される。 |
![]() | 略称は区急。東京線内は急行運転し、青海線・水澄線内は各駅に停車する。朝夕に急行の補完列車として運転される。基本的に急行用車両8両が使用されるが、一部列車は一般用車両8両が指定充当される。KDRからの帰り客輸送用の臨時列車には通勤用車両を使用する。 |
![]() | 略称は快急。平成20年6月ダイヤ改正で旧快速急行と旧通勤特急を統合して誕生。定期便では平日朝の上り列車しか存在しない。旧快速急行(青海ヶ浦→美咲2本、水澄→美咲2本)は一般用車両8両、旧通勤特急(新八浦→渋谷3本、矢積→渋谷3本)は一般用車両8両or急行用車両を使用。 |
![]() | 青海線系統の特急列車。特急用車両を使用しほぼ終日にわたり30分ヘッドで運転。 |
![]() | 水澄線系統の特急列車。特急用車両を使用しほぼ終日にわたり30分ヘッドで運転。 |
![]() | 美咲空港アクセス輸送用の多客期臨時特急「ウィングライナー」を平成27年7月ダイヤ改正で定期化した際に改称して誕生した。東京メトロ谷町線北千住発着の便と新宿発着の便がある。51~54号が特急用車両である以外は臨時用車両を使用。 |
4.車両運用
別項「車両運用」を参照されたい。
5.列車番号体系
南西急行の列車番号体系は下表のようになっている。
0000台 | 緩行線 各停:神津~新東武線直通 |
0100台 | 緩行線 各停:神津~北千住 |
0200台 | 緩行線 各停:神津~紅林 |
0300台 | 緩行線 各停:神宮線線内運転 |
0500台 | 緩行線 各停:神宮線~新東武線直通 |
0600台 | 緩行線 各停:神宮線~北千住 |
0800台 | 緩行線 各停:その他の区間 |
1000台 | 緩行線 準急 |
1300台 | 緩行線 通勤準急 50番台は神宮線直通 |
1400台 | 緩行線 通勤快速 50番台は神宮線直通 |
1500台 | 緩行線 準快 |
2000台 | 八浦鉄道(新八浦まで直通しない列車も連番) |
2100台 | 青海線 普通:青海ヶ浦系統 2180台は鶴神温泉発着 |
2200台 | 水澄線 普通:水澄系統 2280台は戸張発着 |
2300台 | 青海線 普通:八浦系統 |
2400台 | 水澄線 普通:御幸台・矢積系統 |
3000台 | 東京線 快速 |
3200台 | 東京線 快速(区間運転) |
3500台 | 青海線直通 快速 |
3600台 | 水澄線直通 快速 |
3800台 | 水澄線シャトル列車 |
4000台 | 目黒台線(新宿~目黒台間) |
4200台 | 目黒台線(旗塚~目黒台間) |
4500台 | 東京線 区間快速 |
5000台 | 東京線 区間急行 |
5300台 | 青海線 急行 |
5400台 | 水澄線 急行 |
5500台 | 青海線 区間急行 |
5600台 | 水澄線 区間急行 |
6100台 | 青海線 準急 |
6200台 | 水澄線 準急 |
6500台 | 青海線 快速急行(青海ヶ浦→美咲) |
6600台 | 水澄線 快速急行(水澄→美咲) |
6700台 | 青海線 快速急行(新八浦→渋谷) |
6800台 | 水澄線 快速急行(矢積→渋谷) |
7000台 | 東京線 特急ひよどり/臨時特急 |
7100台 | 青海線 特急なぎさ |
7200台 | 水澄線 特急ひびき |
8000台 | 団体・臨時列車 |
列車番号に付加される(急行線では末尾、緩行線では先頭)記号の意味は以下のとおりである。
なし | 平日・休日共に同じスジで運転される列車 |
A | 平日のみ運転される列車 |
B | 休日のみ運転される列車 |
C | 平日・休日で乗入先におけるダイヤが変わる列車の平日ダイヤ(主に緩行線) |
D | 平日・休日で乗入先におけるダイヤが変わる列車の休日ダイヤ(主に緩行線) |
E | 平日のみ運転される増発・臨時列車 |
F | 休日のみ運転される増発・臨時列車 |
S | 季節列車 |
6.ダイヤの変遷
7.ダイヤの話題
8.妄想の解説
(1)列車本数の設定
「南西急行電鉄」では、妄想を始めたごく初期の段階から、全線を30分ヘッドダイヤとすることを決めていました。普通列車の本数で見れば、青海線・水澄線の末端部分で30分ヘッド、美咲市の近郊で15分ヘッド。湾岸新線区間はモデル線区であるJR東日本京葉線に倣って15分ヘッド、複々線区間で7.5分ヘッドということで、これはサイト開設後でも変わっていません。
特急が青海線・水澄線内で30分ヘッドというのは、正直なところ輸送力過剰かと考えていますが、ダイヤの骨格を妄想していたころは近鉄志摩線で特急が20分ヘッドで運転されていましたし、小田急の箱根系統の特急も30ヘッド、東武日光線の特急もオンシーズンには30分ヘッド運転なので「青海半島も水澄もそれなりの需要がある大観光地なのだ!」と思い込むことにしました。そのかわり、8両編成でも(空港アクセス用の荷物スペースの関係で)6両分の定員しか無い、という車両設定をこしらえて自分自身を納得させています。
急行・快速・準急については、それぞれ15分ヘッドと特急と同数とし、ダイヤを単純化させました。そのおかげで急行は混雑が常態化しているわけですけど、このあたりは「欠点の無い鉄道会社は無い!」と割り切って、臨時増発でしのいでいることにしています。
また、ラッシュ時の運転本数は緩行線も急行線も1時間に24本=2分30秒ヘッドとしました。その理由は…妄想当初はダイヤを方眼紙で描いていたからです(1cm=5分としていました)。前述の駅間距離も、実は方眼紙の目に合わせて設定したものなのです。
しかし、WinDIAは1分単位でしか時刻を扱えない…。これが、筆者の脳内のダイヤと公開しているダイヤの微妙な差の原因になっていました。そこで、平成20年6月ダイヤ改正に際しては、Microsoft Visio上で1分目のダイヤ用紙を作成して、全てのダイヤを書き換えました。これはとんでもなく大変な作業でしたが、ダイヤグラム描画ソフトとVisio上のダイヤが完全一致するようになったので個人的には満足です。
(2)列車種別と停車駅
「南西急行電鉄」は基本的には大都市から郊外へ伸びる路線形態であり、優等列車は都心から離れると各停になる区間ができます。ただ、この「各停区間」があまりにも長いと萌えられなくなる(西武や京阪の準急がそうですね)ので、第一の基本方針として優等列車の各停区間が(駅数として)運転区間の半分ぐらいになるようにしています。
また、優等列車の通過駅は2駅以上連続するようにしました。東急東横線急行の悪名高い1駅飛ばし(いわゆる「隔駅停車」)のような停車駅配置は、とても萌えられるものではありませんから…。かつての京成の急行もかなり酷いものでした。
ところで、列車種別については、もともとの妄想ではもっとスッキリしたダイヤを考えていました。しかし、ラッシュ時のダイヤを組んでいくと、どうもマズいことが起こるのですね。どこの線区でも見られる「優等列車への乗客集中」という現象が。例えば、妄想当初は、朝ラッシュ時は7分30秒間に特急または通勤特急1、急行1、快速1本とするダイヤであったものの、このダイヤでは快速は上位列車を3回も退避する「誰も乗らねー」列車になってしまうのです。
これを回避するには、快速と急行で停車駅を分担するいわゆる「千鳥式ダイヤ」にせざるを得ないわけでして…こうして通快・通急が出現しました。こうなれば「西武でもやっているじゃないか!」と開き直るしかなく、いよいよ素人利用者を見放したマニア向けダイヤに化けていくわけです。
平成20年6月ダイヤ改正では、快速のノロさにいいかげん頭に来て、通快・通急を廃止し、ラッシュ時の考え方を日中にも導入しました。
(3)列車種別の名称
列車種別が増えると、種別名称のつけ方にも苦労します。最も悩んだのが、特別料金を徴収する特急と、徴収しない通特の関係でした。結果的に停車駅が特急に似通ってしまうことから通特にしたのですが、やはりどうにもすっきりせず、平成20年6月ダイヤ改正で快急に統一してしまいました。
通快・通急については、前述したとおり、日中にも千鳥式ダイヤを導入したことで廃止しています。
緩行線の列車種別の件では、地下鉄谷町線内を通過運転する列車の種別をなんとか区間準急から変えられないか、という点が長年の悩みでしたが、今回の改正でようやく準快という新種別を設定して整理しました。また、現実世界の東武鉄道に遅れること2年余りで、新東武鉄道の列車種別も再編成できました。
(4)緩急結合の考え方
東京線(緩行線)
緩行線のダイヤは…実は東京メトロ東西線の東側区間を模倣しています。ただし、複々線区間ですので漸減ダイヤにアレンジしており、東西線の欠点とされている「浦安での緩急結合ができない」という点を、三泉駅では可能として改善しています。準急の通過運転区間が短いなかで3つも退避駅があるのは、東西線という実例があるからできる設定です。
東京線(急行線)
以前、この項にはこのように書いていました。
急行線の湾岸新線区間の路線設定はJR京葉線がモデルなのですが、ダイヤ面では京葉線の欠点を解消するようにしています。下り線と上り線でパターンを変えることで、急行への乗客集中を防ぐ工夫をしているのもその一つです。京葉線は、学校の休み期間中の夕方には某巨大テーマパークからの帰り客で混雑しますから、同じ問題を抱えることになる南西急行では、なんとしてもこの点を改善したいところでした。臨時列車を臨機に走らせられる、という設定もそれを目的としています。ただ、急行と快速の所要時間に差がありすぎるのは現在でも問題視しておりまして、いっそのこと通勤急行と通勤快速を終日運転の標準列車にしてしまおうかとも考えています。これをヤルと、都市間輸送でライバル2社に対する競争力が落ちてしまうのがやっかいなのですが、車両の回転は確実に改善されるので、悩ましいところです。 |
で、平成20年6月ダイヤ改正で、これを実行に移しました。実際、ダイヤを引いてみると、結構イイ感じです。急行と快速の運転間隔が不均等になって、特に上りの急行が混雑するのは相変わらずですが、平成21年10月ダイヤ改正でこの点を少しでも補正するようにしています。
青海線・水澄線
この両線は、路線構造をほとんど同じにして、ダイヤを妄想するエネルギーを軽減しています。
緩急結合のパターンについては、急行と長距離系統の普通はあえて接続させませんでした。特急の利用促進と普通の退避回数削減のためです。特急を増やしすぎると、こういう工夫をしなければ、いくら妄想鉄道でも現実感が薄れてしまいますからね…。
平成21年10月ダイヤ改正では、特急と急行を合わせて15分ヘッドの運転に変更し、名取・静町で普通が上位列車を待避するのは朝ラッシュ時の上りのみとしました。これも、待避時間を削減して全体的なスピードアップを図るためです。これにより、区間運転の普通が混雑するようになるため、普通の運用も4両主体から8両主体に根本的に見直しています。表面に見える限りでは大して変わっていないように見えるでしょうが、実は筆者の手持ち資料の中では大変革が起きているのです…。
なお、このダイヤ改正により、急行の大半が途中駅で先行列車を追い抜かないことになりました。特急も、日中は先行列車を待避させて追い抜くのが八浦・矢積のみとなり、乗っていて全く爽快感の無い列車になってしまいました。