南西急行電鉄研究会

ダイヤの変遷Ⅴ

本項では、近年の南西急行のダイヤについて概説している。現行ダイヤについては「ダイヤ研究室」を参照されたい。
ダイヤ研究室  ダイヤの変遷smile

1.平成24年7月21日ダイヤ改正

 この改正では、青海線水澄線末端区間の輸送体系に変更が加えられた。

(1)青海線

 青海ヶ浦駅改良工事の完成を受け、青海線の朝ラッシュ時に鶴神温泉青海ヶ浦間、深夜時間帯に青海ヶ浦鶴神温泉間の普通列車2本が増発された。この増発列車は特急「なぎさ」用の車両の夜間留置場所を青海運転所から鶴神温泉電留線に変更することで実現したものであり、特急用車両が利用できることから青海市への通勤客に好評を博している。

(2)水澄線

 八色ノ滝駅が水澄東口駅に改称のうえ、水澄域内のマイカー規制強化に伴って新設された大型駐車施設と直結された(詳細は別項を参照)。また、マイカーから乗り換えた乗客を水澄まで送り届けるシャトル列車が30分間隔で新設定されている。このシステムは、スイスのマッターホルン山麓にある観光地「ツェルマット」の事例を範として取り入れられたものである。

2.平成25年7月20日ダイヤ改正

(1)新型特急車出現

7800系/tc7800.gif
7800系

 特急用車両置換の第一弾として新型特急車7800系7編成を投入。「なぎさ」「ひびき」に各3編成ずつを特定の列車に充当した。営業列車の時刻には変化は無いため利用客に対してダイヤ改正をアピールしたわけではないが、車両運用には大きな変化が生じており、部内ではダイヤ改正として扱われている。平成27年3月1日で限定運用は解除され全列車の編成構成を統一している。

(2)特急ウィングライナー登場

7600系/tc7600.gif
7600系

 夏期繁忙期の臨時列車として、早朝に北千住美咲空港間の特急「ウィングライナー」2本を新設した。繁忙期限定で座席指定制の列車を増発するのは南西急行としては初めての試みであった。車両は7600系が限定運用で充当された。平成27年7月ダイヤ改正で「ひよどり」と名称変更のうえで定期列車化され発展的に消滅した。

3.平成25年12月1日ダイヤ改正

 本改正では輸送力にメリハリをつけることがテーマであり、増発の一方で運転区間を短縮するなどの調整が行われた。

(1)平日ダイヤ

急行線平日朝ダイヤの変更

 急行線平日朝ラッシュ後時間帯の上り新宿区急4本を渋谷行に、下り新宿新成原急行4本を渋谷発に短縮した。これらの列車は急行用車両の不足を補うため一般用車両(8両固定編成)で運転されており、充当した編成を効率的に関浜車両所へ入区させるための措置である。

 また、臨Aスジを使って運転してきた下り美咲行急行新成原行に短縮し、多客時に延長運転する取り扱いに変更した。これも、美咲から関浜車両所へ回送する手間を省くのが目的である。

金曜ダイヤを導入

 このころから景気の回復傾向が見えてきており、いわゆる「花金」需要の伸長に合わせて金曜ダイヤを導入。このうち、緩行線に初めて設定した特急スターライナーは利用客が定着せず、平成27年7月ダイヤ改正で早々に消滅した。

(2)休日ダイヤ

ホリデー準急の新設

 緩行線休日朝時間帯に神津新宿間のホリデー準急を15分間隔で8本新設。長年指摘されてきた同時間帯の輸送力不足にようやく手を打ったことになる。この列車は平成27年7月ダイヤ改正で大手町行に変更され、ホリデー準急の名称も無くなった。さらに折り返しの準急が増発の形で設定されるなど、サービス内容が変化している。

青海線・水澄線

 青海線水澄線休日朝時間帯の上り準急美咲空港行から美咲行に短縮した。これは両線の沿線から美咲空港へ向かう利用客からは不評を買った。この措置は、この時間帯に多数運転される団体列車のために美咲空港駅のホームを空けるのが目的であったが、美咲駅においては青海線準急として到着した列車を水澄線普通として折り返しさせる(あるいはその逆)という新たな技を駆使して実現しており、折り返し運行の効率化を徹底的に追求したものであった。

4.平成26年7月5日ダイヤ改正

(1)目黒台線開通

 目黒台線開通に伴い、新宿旗塚間の緩行線連絡列車を目黒台まで延長した。ただし、このスジは急行線の臨Aスジと被っていたため臨時列車を運転するときに目黒台線の定期列車を旗塚折り返しに変更するなど、サービスレベルが低く不評であった。この点は平成27年7月ダイヤ改正で解消されている。

 また、三泉運転所廃止→目黒台運転所使用開始に伴い、急行線の下り初電の区快紅林始発から旗塚始発に、深夜の上り終電の区快紅林行から旗塚行に、終電1本前の区快紅林行から目黒台旗塚でスイッチバックするという南西急行発の定期列車である)に変更された。

(2)神宮線輸送改善

 神宮線の土休日の朝時間帯は列車設定が少なく、特に土曜登校日には東城学園への通学生で大変な混雑となっていた。そこで、下り列車を4本増発し、さらに上り準快4本を東城学園始発から武蔵神宮始発に延長するなど、同線のサービスレベルを向上させた。

5.平成27年3月1日ダイヤ改正

 特急用車両の編成組換完了(詳細は別項)に伴い7800系の限定運用を終了し、全ての定期特急列車にグリーン車とコンパートメント車を連結した。営業列車の運転時刻はいじられていないが、車両運用は大幅に変わる(というより旧に復すると言うべきか)ので平成25年7月と同様に部内的にはダイヤ改正としていた。

6.平成27年7月18日ダイヤ改正

 このダイヤ改正の目玉は、旗塚駅における急行線と緩行線の接続改善である。日中時間帯は同駅において快速各停普通準急急行準快が同時に発着し相互に乗り換えられるようになった。改正規模は平成21年10月ダイヤ改正以来最大となっている。

(1)東京線(急行線)・目黒台線青海線水澄線

A.目黒台線列車のパターン変更

 目黒台線の列車は、別項で述べているように、本来は東京線臨Aスジで設定されていた。しかし、東京線方面の臨時列車が設定されると、目黒台線の列車が旗塚発着に変更されるなど大きくサービスレベルが落ちるという問題があり、目黒台線の利用客からは大変な不評を買っていた。

 そこで、本改正では目黒台線列車を旧臨Bスジで運転するように変更された。また、新臨Bスジは東京線旗塚神津間で2分繰り上げ(上り列車では2分繰り下げ)られ、臨時列車の運転により目黒台線列車のダイヤが影響を受けることが無くなった。

 ただし副作用として、目黒台線内折返の定期列車が大幅に削減されている。これは同線の利用実態に合わせたものと南西急行ではコメントしている。

B.新宿駅における折り返しパターンの変更

 旧ダイヤの朝ラッシュ後の新宿駅における折り返しパターンは、上り快速→下り目黒台線普通、上り急行→下り急行、上り目黒台線普通→下り快速 であったが、新ダイヤでは目黒台線普通 快速 急行がそれぞれ同種別で折り返すようになった平成14年3月ダイヤ改正以前に戻ったことになる)。これに伴って目黒台線普通は新宿駅では全列車が特急用の3・4番線発着に変更されている。

C.区間急行の渋谷駅発着化

 上記に伴い臨Aのスジが新宿まで引けなくなり、このスジを使って運転される区急急行の大半が渋谷発着に変更された。これにより、平成21年10月ダイヤ改正新宿始発になってしまった夕方ラッシュ時の下り区急渋谷始発に戻され、同駅利用者には約6年ぶりの朗報となった。

D.特急ウィングライナーの定期列車化と愛称変更

 多客期の早朝に下り2本、深夜に上り2本が運転されていた北千住美咲空港間の臨時特急ウィングライナーが定期化され、愛称も「ひよどり」に変更された。また、北千住発着の列車と新宿発着の列車が旗塚駅で分割・併合するという、南西急行では初めてのダイヤが導入されている。車種は7600系(後に6400系も追加)となる。なお「ひよどり」という愛称は日本の固有種で外国のバードウォッチャーに人気があることに因んだとされている。

E.朝ラッシュ時快速急行の安本停車

 安本駅の利用者急増に対応すべく、平日朝ラッシュ時の上り快急6本が新たに停車するようになった。

(2)東京線(緩行線)、東京メトロ谷町線

 旗塚駅の急行線・緩行線の接続改善 および 新東武鉄道側の暫定ダイヤ(とうきょうスカイツリー駅開業に伴うもの)解消に伴い、東京線(緩行線)・東京メトロ谷町線・新東武鉄道の3社直通運転系統(NEWS-Line)は全体的に北行列車が5分、南行列車が10分繰り下げられた。また、以下のような変更が行われている。

A.ホリデー準急の廃止

 平成25年12月ダイヤ改正から休日朝に設定されたホリデー準急神津新宿間8本)は大変好評を博したが、本改正で目黒台線からの直通列車のスジと衝突することから、神津大手町間運転の準急に変更された。その折り返し列車も大手町神津間の準急となり、休日朝時間帯の下り方面の輸送力不足の問題にも対策を講じている。

B.花金特急の廃止

 平成25年12月ダイヤ改正以降、金曜日の深夜帯に運転されていた新宿神津特急スターライナー4本が廃止された。南西急行ではその理由を「利用の不振」としているが、そもそもいきなり15分間隔で4本運転するというのは強気に過ぎた。いつもは需要予測過少をやらかす南西急行らしからぬ失敗と言えよう。

 このようなライナー的特急列車は、平成18年3月ダイヤ改正新宿新成原間に2往復設定されたものの、平成20年6月ダイヤ改正で廃止されたという前例がある。南西急行では定着しがたい種類の列車であるのかもしれない。

7.平成28年12月10日ダイヤ改正

 本改正は、近年急速に伸びている外国人観光客の需要に応え、東京線の輸送力不足を補強するものとなった。青海線水澄線では、一般用車両(8両編成)各1本の夜間滞泊先が関浜車両所から桂木町駅館川町駅に変更された程度で、一般旅客にはほとんど影響が無い。

(1)特急ひよどりの増強

 特急ひよどりは東京側からの美咲空港アクセス強化策として平成27年7月ダイヤ改正で定期列車化され、新宿発と北千住発のそれぞれ4両編成を旗塚で併合するという運転方法が注目された(上り列車では旗塚で分割)。しかし、

  • 需要の多寡によっては4両編成では輸送力不足になる場面がある
  • もともと列車本数の少ない時間帯に30分ごとの設定では運転頻度も不足

 …という具合に「これまで捉えきれていなかった潜在需要を掘り起こしたら、もっと大きな需要があった」という南西急行伝統の失敗パターンをまたもやらかしていたことが判明し、本改正では、旗塚での分割・併合を廃して、8両編成(旗塚~美咲空港間)で2往復の設定を、4両編成で4往復(新宿発着2往復+北千住発着2往復)に立て直している。需要の大きい時期には、4両編成を8両編成に増結することで対応する。旗塚駅の下りホームに設けた列車併合用の信号設備は1年半弱で不要となり、かなりもったいない投資に終わったと言える。

(2)東京線急行の改善

A.平日ダイヤ

 成原ポートシティ・KDR等の大規模施設を擁する湾岸地区からの帰り客を東京方面へ輸送するには、通常のダイヤパターンの快速急行のみでは対応できず、以前から新成原始発の急行が夕方に設定されてきた。しかし、この列車は30分ヘッドで6本が水澄線からの直通急行の前に挿入されており、青海線からの直通急行の乗客は激しい混雑に耐えなければならず、不評を買っていた。青海線水澄線のサービスレベルを平等にすることは、南西急行発足時の経緯もあって同社の大きな課題であったが、輸送力設定やダイヤ編成の都合でそのようにできない場面もあったのである。

 そこで、本改正では「45分パターン」という新たな概念を導入してこの点を改善した。周知のように、東京線青海線水澄線の30分パターンを噛み合わせて15分パターンを構成しており、改正前は新成原始発急行を■□■□■□■□■□■のように挿入していたために上記のような問題が生じていた。改正後は□■■□■■□■■□という具合に挿入し45分間に2本設定することで混雑が青海線直通急行のみに偏らないようにしたのである(設定本数は6本で変わらず)。 また、新成原始発急行が挿入されない□のパターンには、最繁忙期に、増発特急ひよどりを設定することで新成原海浜公園からの着席ニーズにも対応した。

 この「45分パターン」は当初は画期的なアイディアと思われた…のだが、実際に運用してみるとやはりダイヤが大変覚えにくく、乗客からも駅社員・乗務員からも不評であった。そのため平成30年7月21日ダイヤ改正で早々と是正されることになってしまった。

B.金曜ダイヤ

 平成25年12月ダイヤ改正から、金曜日に帰宅ラッシュが遅い時間帯にシフトするのに対応して21:30以降に渋谷始発の区急を4本増発しているが、この列車に充当する編成2600系を2編成併結したもの)は回送として上京させていた。本改正では、金曜日専用の車両運用を新たに組むことでこの回送列車を営業運転に振り替え、新成原渋谷間の急行を4本増発して湾岸地区からの帰りの足を補強した。

C.休日ダイヤ

 近年の需要増大を受け、午前中の渋谷新成原急行を10本から12本に増便。さらに、輸送力不足が指摘されていた夕方の上り方向についても、平日と同じダイヤで6本の急行を新設定した。これらも、平成30年7月21日ダイヤ改正で再調整されている。

(3)増発特急の新設定

 別項「増発列車のダイヤ」を参照されたい。


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