南西急行電鉄研究会

ダイヤの変遷Ⅲ

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本項では、平成4年10月の白紙改正以後、平成18年3月改正までのダイヤの変遷を概説する。
ダイヤ研究室  ダイヤの変遷smile

1.平成5年10月ダイヤ改正:新宿~渋谷間営業休止

ダイヤの変遷Ⅲ/H05渋谷駅折返時の朝ラッシュ時ダイヤ.png
渋谷駅折返しダイヤ(平日朝ラッシュ時)

 平成5年10月1日~8年9月30日の3年間、新宿駅改良工事のため、南西急行は同駅の営業を休止して、東京線(急行線)のほぼ全列車を渋谷駅発着とする措置を採った通特旗塚駅で折り返し)

 このときのダイヤは、利用客の生活パターンや他交通機関との接続関係に影響を与えないように、全列車の新宿~渋谷間を運休させて、渋谷駅での折り返しパターンのみを変更して構成した。これを実現するため、渋谷駅の引上線を増設する配線改良が行われた。また、旗塚駅についても、平成4年の上り急行線ホーム増設の際に折り返し運転用のダンパー線を設けている(別項を参照)。下の図のオレンジの線が通特で、旗塚駅で折り返して回送となる列車がダンパー線で待避していることが判る。

 本ダイヤでは、特急急行について、青海線からの列車が水澄線方面に、水澄線からの列車が青海線方面に折り返してしまい、両線の車両運用が分離できなくなるという問題が発生する。そこで、平成5年3月から緩行線系以外の全車両を対象に、所属車両基地にかかわらずいずれの基地でも保守作業を可能とする「車両管理システム」を導入し、事実上青海線・水澄線の車両使用区分を撤廃した(財産管理上の所属箇所はある)。このシステムは、予備車率の適正化や車両検査計画の最適化によって大きなコストダウン成果をあげた。

 新宿駅改良工事の完成後、ダイヤは元に戻された(つまりこの間はダイヤが改正されていない)が、快速急行用で使用頻度が高い1・2番線側の発着機能が強化され、ダイヤ乱れにより柔軟に対応できるようになった。

2.平成9年3月ダイヤ改正

ダイヤの変遷Ⅲ/H09-3改正の急行線ダイヤパターン変更.png
東京線日中の上りダイヤパターンの変化

 平成8年10月の新宿渋谷間営業運転再開から半年後の本改正では、急行の混雑を緩和するため、上り快速の退避駅を新成原特急)・海浜公園急行)から美咲空港特急)・新成原急行)に変更するパターン修正が行われた。海浜公園での急行退避を解消し、急行に流れがちな乗客を快速に誘導したのである。このように、南西急行のダイヤ改正は、常に急行の混雑緩和が最大目的になっており、それは現在でも変わらない。

 また、同年10月1日には、このダイヤに割り込む形でJR東日本の列車が美咲空港駅に乗り入れるようになったが、この件については別項で触れる(この改正では準備だけはされていた)


ダイヤの変遷Ⅲ/H9北千住駅重層化に伴う運転形態.png
平成9年改正による日中の運転パターンの変化

 一方、緩行線側では、新東武鉄道の悲願であった北千住駅重層化工事の完成によって同駅での谷町線方面への折り返しが可能となり、南西急行側から大手町で折り返していた系統が北千住まで延長された。このダイヤ改善により、新東武線だけでなく、常磐線や京成線からの南西急行への乗客流入量が増大し、南西急行側にも好影響があった。

 本ダイヤ改正の目玉は、日中(土休日はほぼ終日)に谷町線内で西麻布谷町鳥越白鬚橋を通過する区間準急が15分間隔で設定されたことである。区間準急は、恵比寿北千住間の所要時間を5分短縮して25分とした。同じ北千住から日比谷線に乗った場合、25分後ではまだ銀座に着いたところだから、これは相当に速い。この速達性が利用客にようやく認識され、谷町線の乗客数は急激な伸びを見せるようになった。

 また、本改正では通勤準急三泉通過)は準急に統合され、準急は朝夕ラッシュ時のみ三泉を通過する「例外通過」の取扱いになった。なお、通勤準急の名称は、新東武線内で北千住~新越谷間のみ通過運転する旧区間準急に引き継がれている。

3.平成14年3月ダイヤ改正

(1)急行・快速系車両の共通運用化

5400系/5400系先頭.png
5400系

 これまで、南西急行は列車種別ごとに車両運用を固定化する方針を採用してきたが、車種ごとの走行距離の不均一や、新宿駅着発線の利用効率の悪化などの問題があった。そこでこの改正では、5400系の増備に伴い、東京線(急行線)の急行快速系列車の車両を3000系5200系5400系の3車種に統一し共通運用化するという一大方針転換を行った5000系は青海線・水澄線普通列車に転用)。このことにより予備編成の削減が可能になり、浮いた編成を活用して新宿旗塚間を小運転する「緩行線連絡列車」が新設されている(後述)。


平成14年3月改正による車両運用の変化

改正前改正後
朝ラッシュ時通急5200系
美咲始発通急3000系
通快5000系
3000系5200系5400系共通運用
朝ラッシュ時通特のみ6000系
日中急行5200系
快速3000系
夕ラッシュ時急行5200系
快速3000系
区急5000系

(2)「緩行線連絡列車」の新設

ダイヤの変遷Ⅲ/H14改正による緩行線・急行線接続パターン.png
平成14年3月改正における緩行線連絡列車の運転パターン

 本改正前は、新宿・渋谷地区の発展に伴い旗塚で緩行線から急行線に乗り換えて新宿駅渋谷駅へ向かう乗客が増加し、新宿旗塚間で急行線の列車が大混雑するという問題が発生していた。そこで、同区間のみを走行する小運転列車が15分ヘッドで新規設定された(実際には旗塚では折り返せないので三泉まで回送して折り返していた)。この列車は旗塚で緩行線の準急区間準急の2列車と接続し、急行との接続を回避することで急行の混雑緩和を図っている。

 また、このダイヤでは新宿では急行快速系車両の折返しが複雑になるため、ダイヤが乱れたときの運転整理を「とりあえずそこにいる編成を充当する」という単純な方針で行えるようにした。それが前述の車両運用の方針転換である。

(3)緩行線の列車配置の変更

ダイヤの変遷Ⅲ/H9北千住駅重層化によるダイヤパターン.png
平成9年改正時点での緩行線ダイヤ

 東京線(緩行線)の日中ダイヤでは、神津発着の各停三泉駅準急を待避していたために不人気で、準急の混雑を激化させる原因となっていた。そこで、平成9年の急行線(上り)と同じように、緩行線でも列車配置の変更が行われた。


ダイヤの変遷Ⅲ/H14改正によるダイヤパターン.png
平成14年改正時点での緩行線ダイヤ

 このように、神津始発の各停区間準急として準急待避を無くし、速達性を向上させた。また、従来の区間準急恵比寿で2分間の時間調整をしていたが、この改正で解消された。一方、紅林を境とした各駅相互間の利便性は低下している。


ダイヤの変遷Ⅲ/H14緩行線ダイヤパターン.png
平成14年改正による日中の運転パターンの変化

 緩行線列車の運転パターンの変化は図のとおりである。区間準急神宮線直通から本線運転に変更され、平成9年のダイヤ改正で向上した神宮線の利便性が再び低下する事態となり、同線の沿線住民からの批判が相次いだ。

(4)ラッシュ時ダイヤの変更

 本改正では平日朝ラッシュ時に青海線水澄線から東京線へ直通する列車に小変更が加えられた。まず、青海ヶ浦神津に2本、水澄神津に2本運転されていた快急美咲行に変更され、その代替として八浦新宿2本、矢積新宿2本の区急が設定された。この4本の列車は新宿着が9時台で、ラッシュ後の時間帯の輸送力強化を図ったものである。車両は急行用ではなく、一般用が充当される(この列車は渋谷行に変更されながらも令和2年現在でも設定されている)

 また、同じ時間帯を走る急行4本・快速3本がそれぞれ通急通快に種別変更され、待避回数を削減することで全体的なスピードアップが行われた。ただし、この変更によって平日の朝方には南西急行の全ての列車種別が設定されることになり、ダイヤの複雑さはいよいよ凄まじいものになった。

(5)八浦支線の開業

 八浦市の再開発計画に基づき、南西急行では八浦検車区の大改修を行い、そこから捻出された用地にホームを設けて「新八浦駅」を開業した。八浦新八浦間は、検車区への回送線を複線化して営業線に転用している。八浦支線には、従来八浦で折り返していた急行を延長運転したほか、新たに八浦鉄道の列車が乗り入れ、1時間4本の運転が確保された。

4.平成16年3月ダイヤ改正

 平成16年3月改正では、前回の改正で問題になった箇所の手直しが行われた。

 まず、朝ラッシュ時に、青海線 美咲八浦および水澄線 美咲御幸台間に1本ずつ区間運転の準急が新設された。これは、美咲到着後に関浜車両所へ回送していた列車を、八浦検車区御幸台検車区に1本ずつ送り返すようにしたもので、美咲砂町間の列車密度を下げて輸送の安定度を向上させる狙いがある(注:この列車は平成20年6月ダイヤ改正で消滅)

 また、平成14年3月に開業した「八浦支線」の新八浦駅に着発線が1線増設され、朝ラッシュ時と夕方に支線直通列車が増発された。八浦支線は、新八浦駅の貧弱な設備のために朝7時台でも日中と同じ列車本数しかなく非常に不評であったが、本改正により大きく改善された。

5.平成18年3月ダイヤ改正

(1)水澄線館川町駅付近高架化着工

美咲総合駅/misaki-H18.gif
館川町駅付近の線路配線図

 美咲環状道路の建設に伴い、水澄線と交差する館川町駅付近が高架化されることになり、工事スペースを確保するため、現駅の2面4線のうち外側の2線が使用停止された。この代替として、留置線(8両編成4本分)が美咲方に新設された。館川町駅は高架化後は工事費削減のため1面2線の島式ホームになるので、留置線は仮設ではなく本設のものである(詳細は館川町駅改良を参照)。

 この留置線の使用開始により美咲駅の東京線列車の折返し能力が増強され、本改正では平日朝ラッシュ後の「返しダイヤ」で運転される下り新成原急行10本が美咲行に延長された。また、休日ダイヤでも朝の下り新成原急行美咲行に延長された平成25年12月ダイヤ改正で平日・休日共に増発急行新成原美咲間は多客時延長運転の扱いとなった)

(2)ライナー列車の設定

 本改正では、特急用車両を使用した「ライナー列車」が試行的に設定された。上り列車では早朝の新成原発「なぎさ100号」「ひびき200号」、下り列車では深夜帯の「なぎさ167号」「ひびき267号」で、各列車とも停車駅は新成原安本新長坂海浜公園神津旗塚渋谷新宿平成20年6月ダイヤ改正特急が増発され、当列車に充当する車両を確保できなくなったため短期間で廃止された。

(3)特急列車の停車駅追加

 利用率の悪い特急列車のテコ入れ策として停車駅追加が行われ、なぎさ161・165号が桂木町名取に、ひびき261・265号が柊台神明峠に追加停車するようになった。いずれも夜間の下り列車で、八浦および御幸台止まりの系統である。


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